AIで作った画像や文章は、作る時より「外に出す時」に確認が要ります(他人の作品を読み込ませる場合は入力時も)。文化庁の資料(著作権に限った内容・令和6年7月31日版)のうち、仕事でAIを使う会社向けの6ページを、今日できる手順に翻訳しました。
結論から書きます。AIで作った画像や文章について、いちばん確認が要るのは「作った時」ではなく「外に出す時」です。チラシに刷る、ホームページに上げる、SNSに投稿する、会社案内に載せる——この「出す」という一歩の手前に、確認をひとつ挟む。今日の話は、その1点です。(ひとつだけ例外があります。他人の作品をAIに読み込ませる場合は、資料は入力の段階でも確認を求めています。後段で扱います。)
そう書いてある資料があります。文化庁の著作権課が出している「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」です。全部で44ページありますが、仕事でAIを使う会社がまず見る章は「3.AI利用者(業務利用者)のリスク低減方策」=資料内のp.17〜22、たった6ページです。中身はp.18〜22の5ページで、そこに8つの項目が並んでいます。この記事は、その6ページを、社長がそのまま社内で使える言葉に置き換えたものです。
先に、この資料の範囲をはっきりさせておきます。これは「著作権に限った」資料です。情報漏えい・個人情報・AIが事実でないことを答えてしまう問題は、この資料には入っていません。ですので「AIを安全に使うための国のチェックリスト」ではなく、「AIと著作権だけの資料」と理解してください(この点は原文の言葉を後段でそのまま引用します)。
仕事でAIに画像や文章を作らせていて、それを社外の誰かの目に触れる場所へ出しているなら、対象です。
もう少し具体的に言うと、次のどれかに心当たりがあれば対象です。
逆に、AIに作らせたものを社内で見ているだけ(社内の検討用・自分用のメモ)で止まっているなら、今日の話の優先度は下がります。この「社内で止まっているか、外に出したか」の線が、そのまま資料の言っていることと重なります。
今日から足していただきたい手順は、2つだけです。難しいことは何もありません。
この2つは、私が思い付いた工夫ではありません。①は資料の3-1-5、②は資料の3-1-7に、そう書かれています。根拠は後段で原文のまま引用します。
そして、この記事でお伝えしたいのは「怖いからAIをやめましょう」ではありません。逆です。順番を1つ足して、使い続ける。そのための話です。
この記事を最後まで読まない方にも、ここだけは先に届けておきたいので、冒頭に置きます。
多くの方が心配するのは「AIで作った時点で、著作権的にまずいのではないか」という点です。ところが資料の3-1-4が「確認してください」と言っているのは、そこではありません。出す時(=利用する時)です。(※他人の作品をAIに読み込ませる場面は別で、資料は入力の段階での確認も求めています=3-1-3。後段で扱います。)
資料の3-1-4(資料内p.20)に、こうあります。なお引用文に出てくる「生成AI」とは、文章や画像などを作り出すAIのことです。
生成AIによる生成自体は、個人が私的使用の目的で生成する場合(著作権法第30条第1項)や企業・団体等の内部において、権利者から許諾を得て利用することを前提に、検討の過程において生成する場合(同法第30条の3)は、これらの権利制限規定の範囲内であれば、権利者の許諾なく適法に行うことができます。
これに対して、AI生成物の利用(インターネットでの配信、複製物の譲渡等)については、権利制限規定の範囲外となる場合が多いと考えられます。
そのため、AI生成物の生成自体は適法に行える場合でも、生成物を更に利用しようとする場合は、著作権侵害を生じさせないか確認(3-1-5も参照)することが必要です。
(出典:文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」令和6年7月31日、資料内p.20)
言葉を噛み砕きます。「権利制限規定」とは、著作権者の許可がなくても使ってよい、と法律が例外として決めている条文のまとまりのことです。文中に出てくる「第30条第1項」は個人が自分のために使う場合、「第30条の3」は許可をもらって使う前提で、社内の検討の過程で使う場合を指します。
そのうえで整理すると、こういう構造です。
| 場面 | たとえば | 資料が言っていること |
|---|---|---|
| 作る (生成) |
画像を10案出させて、社内で見比べている段階(当てはまるかどうかは右の条件次第です) | 資料は、①個人が私的使用の目的で生成する場合(法30条1項)②権利者から許諾を得て利用する前提で、社内の検討の過程で生成する場合(法30条の3)といった一定の場合について、その範囲内であれば許可なく適法に行える、としています |
| 外に出す (利用) |
その1案をチラシに刷る/ホームページに上げる/SNSに投稿する | 例外の範囲外となる場合が多いと考えられる。だから出す前に確認が必要、とされています |
ここが記事の背骨です。心配すべき地点は「作った瞬間」ではなく「出す瞬間」にある。そして「出す」という行為は、必ず誰かの操作を伴います(入稿する、アップロードする、投稿ボタンを押す)。つまり、手順を挟める場所がちゃんとあるということです。
その前に、この確認が要る理由を先に置きます。資料の3-1-1(資料内p.18)に、生成AIの特性としてこう書かれています。
生成AIを利用する場合、仕組み上、学習データに含まれる既存の著作物と類似した生成物が生成されることがあり、また、生成AIを利用しない場合と異なりAI利用者が既存の著作物を認識していなくても、生成・利用が著作権侵害となることがあります。
(出典:同資料 資料内p.18)
引用文の「学習データ」とは、AIが作り方を覚えるために読み込んだ大量の文章や画像のことです。つまり、自分がまったく知らない作品に似てしまい、それが侵害になってしまうことがある——ここが、人が自分で描いたり書いたりする場合との違いです。
だからこそ、次の確認に意味があります。「自分は何もまねしていないから大丈夫」という感覚だけでは届かない部分があり、そこを埋めるのが検索での照合です。逆に言えば、やることは検索1回で、特別な知識も費用も要りません。
その資料の3-1-5(資料内p.20)です。
著作権侵害の要件としては、既存の著作物との「類似性」及び「依拠性」の双方が必要です。そのため、既存の著作物との関係で「類似性」がないAI生成物については、その利用について、著作権法上、特段の許諾を得ることは不要です。
そのため、AI生成物については、その利用に先立って、まずは既存の著作物と類似していないかを確認*することが必要です。
* インターネット検索(文章検索・画像検索)の活用など
(出典:同資料 資料内p.20)
専門用語が2つ出てきたので、噛み砕きます。「類似性」=もとの作品と似ていること。「依拠性」=もとの作品を見て(知っていて)、それを自分の作品の中に取り込んだこと。この2つが両方そろって初めて著作権侵害になる、というのが資料の説明です。
ここで、先ほどの「知らなくても侵害になることがある」と矛盾するように見えるかもしれません。そうではありません。同じ資料の第2部(資料内p.34)は、「依拠性」を裏づける要素として、AI利用者が作品を知っていたことのほかに、その作品に接する機会があったこと(公表されていて入手できた、あるいは有名だった等)や、できあがったものが既存の作品と高度に似ていることを挙げています。つまり「自分は知らなかった」という記憶だけでは、説明として足りないことがある——だからこそ、記憶をたどるのではなく、できあがったものを外から見て似ていないか確かめる(=検索で照合する)ことに意味があります。
なお、この2つの言葉の正確な定義は、同じ資料の第2部(権利者のためのガイダンス/資料内p.32)に、判断の枠組みとして次のように書かれています。AI利用者の章ではなく第2部にある記述なので、引く場所を明示しておきます。
類似性:既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができること
依拠性:既存の著作物に接して、これを自らの作品の中に用いること
(出典:同資料 資料内p.32/第2部 権利者のためのガイダンス)
補足すると、「表現上の本質的な特徴を直接感得することができる」とは、見た人・読んだ人が「あ、あの作品だ」と受け取れる程度に、もとの表現の特徴が残っている状態を指します。同じページには、類似性があるとはいえない場合は著作権侵害とはならない、という趣旨の注記もあります。
実務としてやることは、こうです。
ここで大事なのは、検索の精度を上げることではなく、「検索を通した」という事実が社内に残ることです。次の②とあわせて、その意味がはっきりします。
プロンプトとは、AIに向けて打ち込む指示文のことです。「名古屋の町工場の作業風景を、明るい昼間の光で、イラスト風に」——こういう文章のことだと思ってください。
資料の3-1-7(資料内p.21)です。
著作権侵害の要件のうち「依拠性」については、生成AIを利用した場合であっても、AI利用者が既存の著作物を認識しており、生成AIを利用して当該既存の著作物と類似したものを生成させた場合には、依拠性が認められると考えられます。生成AIへの指示(プロンプト)として既存の著作物そのものを入力した場合や、既存の著作物の題号(タイトル)、キャラクター名などの特定の固有名詞を入力した場合は、AI利用者が既存の著作物を認識していたことを推認させる間接事実となり、依拠性が認められやすくなると考えられます。
AI生成物の利用に際しては、まずは既存の著作物と類似していないか確認することが重要ですが(3-1-5参照)、これに加えて、依拠性がないことを説明できるよう、生成に用いたプロンプト等、生成物の生成過程を確認可能な状態にしておくよう努めることが望まれます。
(出典:同資料 資料内p.21)
引用文の中の言葉を補足します。「題号」=作品のタイトル。「間接事実」=それ自体が結論ではないが、結論を推し量る材料になる事実。「推認」=そこから推し量って認めること。
ここを実務の言葉に直すと、こうなります。
つまりプロンプトを残すことは、記録の趣味ではなく、後から自分の立場を説明できるいちばん直接的な材料をつくる作業です。ここが、私がこの記事で一番お伝えしたい実務ポイントです。
やり方は素朴で構いません。画像を書き出したフォルダに、同じ名前のテキストファイルを1つ置く。中身は「使ったAIの名前/日付/打ち込んだ指示文/担当者名」。これだけです。
なお資料は、同じ3-1-7の中で、AI生成物が著作権法上の「著作物」に当たるか(=著作物性)は、作った人が持っていた「創作意図」(何を作ろうとしたかという意思)と「創作的寄与」(人がどれだけ創作的に関わったか)の程度で判断される、という趣旨も述べています。この観点からも、指示文を残しておくことが望まれる、という整理です。
資料内p.18〜22に並ぶ8項目を、原文の見出しそのままと、噛み砕いた言い方と、今日できることの3つで並べます。この表の「やさしく言い換えると」「今日できること」の2列は、そのまま社内の手順書のたたき台として使えます(原文の見出しを社内資料へ写す場合は、出所を添えてください)。
| 項番 | 資料の見出し(原文のまま) | やさしく言い換えると | 今日できること |
|---|---|---|---|
| 3-1-1 p.18 |
利用しようとする生成AIについての適切な情報確認 | 使うAIの仕組みと、学習済みモデルについて公開されている情報、利用規約(使ってよい条件を定めた取り決め)を、使う前に読む。社内の担当者にも著作権の基礎を共有する | 今使っているAIの利用規約を開き、「他人の著作物を入力してはいけない」旨の定めがないかだけ探す |
| 3-1-2 p.19 |
著作権侵害に対する適切な予防措置及び対応の検討 | 社内のルールを決めておく。そして「もし起きたら誰に言うか」も先に決めておく | A4の紙1枚に「出す前の確認2つ」と「困ったらこの人に言う」を書いて貼る |
| 3-1-3 p.19 |
AIシステム・サービスへの著作物の入力が「非享受目的」の要件を満たすか確認 | 「享受」=作品そのものを味わうこと。他人の作品をAIに読み込ませるとき、「それに似たものを作らせる」目的だと、例外規定が当てはまらない場合があるとされています(詳しくは下の解説) | 他社のチラシ・写真・イラストを「これっぽく」と言ってAIに読み込ませていないか、社内の使い方を確認する |
| 3-1-4 p.20 |
生成物の生成と利用では著作権侵害の判断が異なり得ることに留意 | 「作る」と「外に出す」で判断が変わる。この項目が求めているのは、出す時の確認 | 社内の合言葉を「出す前に確認」に変える(他人の作品を読み込ませる場合は上の3-1-3も見る) |
| 3-1-5 p.20 |
生成物の利用に先立って、既存の著作物と類似した生成物となっていないか確認 | 出す前に、似ているものが世の中に無いか確認する。手段としてインターネット検索(文章検索・画像検索)の活用などが挙げられています | 【今日やる1手①】画像は画像検索、文章は特徴的な一文をコピーして検索 |
| 3-1-6 p.21 |
関係するステークホルダーに対して、AIの利用について適切に説明 | AI生成物をライセンス契約(=使ってよいという許可を条件付きで与える取り決め)等の取引の対象とする場合の話。ステークホルダー(=その取引に関わる相手先)へ、AIを使ったことや、それが著作物に当たるかについて説明する | 制作物を納品・許諾する取引がある会社だけ、契約書の書きぶりを一度確認する |
| 3-1-7 p.21 |
生成に用いたプロンプト等、生成物の生成過程が確認可能な状態の確保に努める | AIへの指示文を残す。依拠性がないことを説明するための、最も直接的な材料 | 【今日やる1手②】画像と同じフォルダに、指示文を書いたテキストを1つ置く |
| 3-1-8 p.22 |
生成AIの仕組みや技術の概要等について、広く情報提供 | 生成AIの仕組みを、分かりやすい形で社会に広く伝える | 中小企業の日常業務からは最も遠い項目。今日は読み飛ばして構いません |
表の3-1-3は、法律の解釈に踏み込んだ項目です。ここは言い切ると事故になるので、資料の言い回しをそのまま保って書きます。
まず「非享受目的」という言葉から。「享受」=作品そのものを見て楽しむ・味わうこと。その反対で、「非享受目的」=作品を味わうためではない目的で使うことを指します。機械に読み込ませて情報として解析させる、といった使い方が例として挙げられています。
そのうえで資料は、他人の作品をAIに読み込ませる場面(既存の画像を渡して別の画像を作らせる、いわゆるImage to Imageなど)について、次のように述べています。
この「考えられます」「場合があります」という含みは、私が慎重にしているのではなく、資料の書き方そのものです。ですので、この記事でも「こうすれば違法」「こうすれば適法」という言い切りはしません。実務で気を付けられるのは、「他社の制作物を読み込ませて、それっぽいものを作らせる」という使い方をしていないかを、社内で一度点検することです。
ここからは私の見立てです。愛知・岐阜・三重の中小企業には、「作った人が、そのまま出す人」という会社が少なくありません。制作会社を挟まず、社長か事務担当の方が作って、その日のうちにチラシ屋さんへ入稿し、ホームページに上げ、SNSに投稿します。この「作る」と「出す」の距離の近さが、この地域の中小企業の強みであり、同時に今日の話の急所でもあります。距離が近いということは、間にチェックが入らないということだからです。
| 業種 | よくある場面 | 出す前に見るところ |
|---|---|---|
| 製造業 | 会社案内のイメージ写真、展示会のパネル、技術説明のイラストをAIで作る | パネルは会期中ずっと不特定多数の目に触れます。刷る前に画像検索。指示文はパネルのデータと同じフォルダへ |
| 工務店・リフォーム | 施工事例バナー、完成イメージのパース風(完成予想図のような絵)画像をAIで作る | 既存の住宅写真や他社の施工写真を読み込ませて「これっぽく」と作らせていないか(3-1-3) |
| 飲食店 | メニュー画像、季節の販促画像、SNS投稿用のイラスト | キャラクター風・有名店風の要素が混ざっていないか。指示文に固有名詞を入れていないか(3-1-7) |
| 採用(全業種) | 求人票に添える職場イラスト、採用ページのキャッチコピー | 求人サイトは掲載期間が長く、消し忘れが起きやすい場所です。掲載前に1回通す |
なお、AI画像そのものの作り方(どの道具をどう使うか)は、以前に別の記事でまとめました。チラシもSNS画像も自分で作れる|無料AI画像生成の実務入門をご覧ください。今日の記事は、その「作り方」の次に来る「出す前の確認」の話です。
私は独立する前、製造業をはじめとする5社で約15年、現場と営業の仕事をしてきました。バネをつくる製造ラインにも、倉庫の棚卸にも入っていました。そこで身に染みたことが1つあります。
現場の人は、標準作業(=この順番でこうやる、と決まった手順)があれば、きちんと守ります。守れないのは、その人の意識が低いからではなく、手順が決まっていないときです。手順が無いところに「気を付けてね」と声をかけても、何も変わりません。声かけは手順の代わりにならないからです。
今のAIは、まさにこの状態にあります。会社の中の他の作業には、たいてい手順があります。見積もりを出す前に上長が見る。図面を出す前にダブルチェックする。請求書を出す前に金額を突き合わせる。ところが、AIで作ったものだけは、作った人がそのまま出せてしまう会社が多いのではないでしょうか。手順がまだ決まっていない——ここが、今いちばん詰まりやすい場所(経営のボトルネック=一番の詰まり)だと私は見ています。
だから今日の1手は「気を付ける」ではなく、手順を2行だけ作ることです。
この2行を紙に書いて貼る。それだけで、社内に手順がゼロだった状態からは抜け出せます。そして、これに費用はかかりません。道具を買う必要も、誰かに頼む必要もありません。
資料の冒頭(資料内p.1)に、こう書かれています。
本資料では、生成AIに関するポイントのうち、著作権に関するものに限って取り扱います。著作権以外との関係については、「中間とりまとめ」や「事業者ガイドライン」を参照するようにしてください。
(出典:同資料 資料内p.1)
ですから、この資料を「AIを安全に使うための国のチェックリスト」と呼ぶのは正確ではありません。情報漏えい・個人情報・AIが事実でないことを答えてしまう問題は、この資料の範囲外です。著作権以外のリスクについては、生成AIの落とし穴|IPAが警告したリスクと中小企業3つの守り(IPA=独立行政法人 情報処理推進機構)で別に整理しています。射程が違う話は、混ぜないほうが社内の理解が早く進みます。
ここが最も重要な限定です。資料内p.5に、次の一文があります。
「第1部 AI開発・提供・利用のチェックリスト」で示す各ステークホルダーのリスク低減方策は、これらを全て記載どおりに実施しなければ直ちに当該ステークホルダーに法的責任が生じるといったことや、逆にこれらを全て実施すれば法的責任を何ら問われないといったことを意味するものではありませんので、留意してください。
(出典:同資料 資料内p.5)
引用文の「ステークホルダー」とは、その物事に関わる立場の人たちのことです。この資料では、AIを開発する人・提供する人・使う人などを指しています。
この一文を私の言葉に直すと、こうなります。「全部やらないと即アウト」でもないし、「全部やればセーフ」でもない。ですので、この記事も含めて、「これをやれば違法になりません」「これで安心です」とは書けません。できるのは、確認していない状態から、確認して記録が残る状態へ移ること。それ以上でも以下でもありません。
資料の第1部は4つの立場(AI開発者/AI提供者/AI利用者(業務利用者)/業務外利用者(一般利用者))に分けて書かれています(第2部は権利者向けです)。中小企業が仕事でAIを使う場面は3番目に当たりますが、資料内p.5には次の注意があります。
(前略)実際には、一の事業者(又は個人)であっても、生成AIに対する関わり方により、同時に複数の分類に該当する場合があります。このような場合は、該当するいずれの分類についても「期待される取組み」を参照するよう留意してください。
(出典:同資料 資料内p.5)
ですから「3章の6ページだけ読めばよい」とは書きません。「まず3章から読む」が正確です。たとえば、自社のサービスの中にAIを組み込んでお客様に使ってもらっているなら、別の章も自分に関係してきます。
本記事が扱っているのは、令和6年7月31日(=2024年7月31日)付の版です。全44ページ。文化庁の掲載ページ上に、令和7年版・令和8年版は置かれていません(2026年8月19日時点で私が掲載元を確認)。
資料そのものは、下記の出典リンクから読めます。そして、社内で配ることもできます。文化庁は、同庁サイトのコンテンツの利用について「文部科学省ウェブサイト利用規約」に従うよう案内しており、その規約(最終改正 令和8年8月17日)は bunka.go.jp を対象に含めたうえで、次のように定めています。
文部科学省ウェブサイト(※)で公開している情報(以下「コンテンツ」といいます。)は、どなたでも以下の1)~6)に従って、複製、公衆送信、翻訳・変形等の翻案等、自由に利用できます。商用利用も可能です。
(出典:文部科学省ウェブサイト利用規約)
引用文の「複製」とはコピーすること、「公衆送信」とはインターネット等で送ること、「翻案」とは作り変えることです。つまり、あの6ページを印刷して朝礼で配ることも、社内資料に組み込むこともできます。ただし条件があります。社内で使う場面に関わるのは、主に次の4つです。
私が2026年8月19日に確認した範囲では、この資料に別の利用ルールは示されていませんでした。ただし規約は改正されます(直近の改正は令和8年8月17日です)。社外へ配るなど範囲が広がる場面では、その時点の規約をご確認ください。
冒頭にも書きましたが、大事なので繰り返します。私は弁護士ではありません。個別の事案が著作権侵害に当たるかどうかの判断は示しません。そこが必要な場面では、弁護士など該当分野の専門家へおつなぎします。
また、この記事の手順を実行しても「違法になりません」とは言えません。資料自身がそう書いているからです。私がご一緒できるのは、出す前の確認を社内の手順として決めて、それが日常の中で続くところまで整える——その部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。
無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
初回面談はオンラインで90分程度。こちらから契約を急かしたり、その場で契約をお願いしたりすることはしません。新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。
文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日/全44ページ)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/
chosakuken/pdf/94097701_01.pdf
掲載元:https://www.bunka.go.jp/seisaku/
chosakuken/aiandcopyright.html
(閲覧日:2026年8月19日)
文部科学省「文部科学省ウェブサイト利用規約」(最終改正 令和8年8月17日)
https://www.mext.go.jp/
b_menu/1351168.htm
文化庁「文化庁ホームページについて」
https://www.bunka.go.jp/
bunkacho_homepage/
(閲覧日:2026年8月19日)
※本記事が引用したのは、上記資料のうち第1部「3.AI利用者(業務利用者)のリスク低減方策」(資料内p.17〜22)、資料内p.1、資料内p.5、第2部「権利者のためのガイダンス」(資料内p.32・p.34)、および文部科学省ウェブサイト利用規約の1.冒頭です。引用箇所は出所を明示したうえで必要最小限の範囲にとどめました。
※引用文以外の言い換え・表への整理・業種への当てはめは、私(マークレスト 平野)によるものであり、文化庁その他の行政機関の見解ではありません。
※本記事の内容は2026年8月19日時点で確認したものです。資料は改訂されることがありますので、最新の内容は上記の公式サイトでご確認ください。当社が最新性を保証するものではありません。
※当社は「何に・どう投資するか」の交通整理(マーケティング支援)を担います。著作権に関する個別の判断や法的手続きは、弁護士など該当分野の専門家へご確認ください。