Googleは2026年5月7日、FAQ(よくある質問)のリッチリザルト表示を終了し、6月15日には解説ページも削除しました。次の見積からこの項目を外す判断と、既存のマークアップを慌てて消さない理由を、Googleの一次情報で整理します。
ホームページの制作や保守をお願いしている会社から届いた見積書、あるいは毎月の保守明細を思い出してください。その中に、こういう一行はありませんか。
「FAQ構造化データ対応」「よくある質問のリッチリザルト対応」「FAQPageマークアップ実装」——言い方はいろいろですが、指しているものは同じです。
この項目に、これからお金を払っても、検索結果の見た目は変わりません。Googleが2026年5月7日に、その表示を出すのをやめたからです。
①結論:Googleは2026年5月7日、検索結果に「よくある質問」が折りたたみで並ぶあの表示を出すのをやめました。さらに2026年6月15日、その解説ページ自体を公式ドキュメントから削除しました。いまGoogleは、「構造化データ(=ホームページの中に、人の目には見えない形で書いておくコンピュータ向けの注釈。あとで詳しく説明します)を入れると、検索結果でこう表示されます」という一覧表を公開しています。そこには25の機能が並んでいますが、その中にFAQはもうありません。
②今日やる1手:手元の見積書か保守明細を1枚だけ出して、次の4語を探してください。「FAQ」「よくある質問」「リッチリザルト」「構造化データ」。目安15分。見つかったら、次の発注・次の更新のときに、その行を外せないか相談する。今日やることは、それだけです。
③この記事の対象:ホームページの制作・保守を社外の会社にお願いしていて、見積書か保守明細が手元にある中小企業の経営者の方です。
逆に、対象でない方:見積書に上の4語がひとつも見当たらない方です。その場合、今日やることはありません。ここで閉じて構いません。
そして念のため先に書いておきます。この記事は「よくある質問のページを消しましょう」という話ではありません。むしろ逆です。消えたのは検索結果での特別な見た目だけで、ページに書いた質問と答えそのものの値打ちは、何ひとつ変わっていません。
この話をすると、「では、要らないものにお金を払っていたのか」と受け取られてしまうことがあります。それは事実と違います。
FAQのリッチリザルトは、当時、本当に検索結果に出ていました。自社の検索結果の下に「よくある質問」がずらりと並び、クリックすると答えが開く——あの表示です。画面に占める面積が広く、たしかに目立ちました。ですから、それを提案した制作会社の判断も、採用した経営者の判断も、当時として正しい仕事でした。ここは言い切れます。
変わったのは、Googleの側です。2026年5月7日に表示をやめ、6月15日に解説ページを削除しました。この決定に、制作会社も経営者も関与していません。
そして、いま届いている見積書にまだこの項目が載っていたとしても、それは悪意ではありません。Googleの仕様変更が、世界中の制作現場の見積テンプレートに反映されるまでには、どうしても時間差が生まれます。これは「誰が悪いか」の話ではなく、「変更が現場の手元まで届いているか」の話です。
私は独立する前、製造業の現場で生産管理をしていました。設計変更が出ているのに、旧図面のまま部品が流れてしまう——この手のことは、どんなに真面目な現場でも起きます。原因はほぼ例外なく、変更通知が現場の手元まで届いていないことでした。責める話ではなく、通知を回す話です。この記事は、その通知の1枚だと思ってお読みください。
まず、専門用語をふたつだけ噛み砕きます。
その「特別な見た目」のうち、FAQ(よくある質問)のものが終了しました。Googleは自社の更新履歴に、次のように記録しています。
| 日付 | Googleが記録している内容 |
|---|---|
| 2026年5月7日 | この日以降、FAQのリッチリザルトはGoogle検索に表示されなくなる(発効日) |
| 2026年5月8日 | 更新履歴に「FAQリッチリザルト機能の提供終了」を掲載。解説ページに終了のお知らせを追加した |
| 2026年6月15日 | 更新履歴に「FAQリッチリザルト機能の解説を削除」を掲載。解説ページそのものを削除した |
原文(英語版)はこうです。まず2026年5月8日の記録。
Deprecating the FAQ rich result feature
What: Added a deprecation notice to the FAQ rich result documentation.
Why: This feature will no longer appear in Google Search starting May 7, 2026.
日本語にすると、「何を:FAQリッチリザルト機能の解説ページに、提供終了のお知らせを追加した。/なぜ:この機能は2026年5月7日以降、Google検索に表示されなくなるため。」(訳は私によるものです)
次に2026年6月15日の記録。
Removing documentation for the FAQ rich result feature
What: Removed documentation for the FAQ rich result feature.
Why: The FAQ rich result feature is no longer shown in Google Search results, as announced in the changelog entry in May 2026.
日本語にすると、「何を:FAQリッチリザルト機能の解説を削除した。/なぜ:2026年5月の更新履歴でお知らせしたとおり、FAQリッチリザルト機能はGoogle検索の検索結果に表示されなくなったため。」(訳は私によるものです)
この記事を書くにあたって、その後に撤回・復活していないかも確かめました。この更新履歴の最新の記載は2026年7月29日で、6月15日から今日(2026年8月20日)までのあいだに、FAQリッチリザルトの復活や、この決定の撤回を告げる記載は見当たりませんでした。3か月前の情報をそのまま鵜呑みにしないためです。
ここから先の話を私の言葉で信じていただく必要はありません。2クリックで、ご自身の目で確認できます。
Googleは「構造化データを入れると、検索結果でこう表示されます」という一覧表を公開しています。日本語版はこちらです。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/search-gallery?hl=ja
開いて、上から順に眺めてください。「記事」「パンくずリスト」「カルーセル」「コースリスト」……と続き、「求人情報」「ローカル ビジネス」「商品」「クチコミ抜粋」「動画」なども並びます。全部で25の機能が載っていますが、そのどこにも「よくある質問」はありません。(私が2026年8月20日に、日本語版と英語版の両方のページのHTMLを直接取得し、掲載されている機能の行を数えた実測です。)
もうひとつ、もっと短くはっきり分かる確認方法があります。Googleが以前FAQの解説を置いていたURLを、ブラウザのアドレス欄に貼って開いてみてください。
https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/faqpage
解説ページは開きません。かわりに、先ほどの更新履歴のページへ自動で転送されます。(表示が英語になることがあります。その場合はページ内で「Removing documentation for the FAQ rich result feature」を探してください。2026年8月20日に私が確認した時点での動作です。)Googleが自分の手で解説を片付けたということが、これでいちばん短く分かります。
この記事で私がいちばん心配しているのは、「FAQは効かなくなったらしい」と伝わって、よくある質問のページごと消されてしまうことです。それは、お客様が迷っているまさにその場所を、自分の手で塞ぐことになります。3つに分けて整理します。
| 何のことか | どうなったか |
|---|---|
| ①検索結果に出ていた特別な見た目 (FAQリッチリザルト) |
2026年5月7日に表示されなくなった。ここに今後お金を払っても、検索結果の見た目は変わらない |
| ②ページに書いてある質問と答えの文章そのもの | 何も変わっていない。お客様の疑問を先に解いて、問い合わせや購入の迷いを減らす役目は、今日もそのまま |
| ③ページに埋め込んだコンピュータ向けの注釈 (FAQPageマークアップ) |
Googleの対応表からは外れた。ただし「削除してください」と読める記載は、私が確認した範囲では見つかりませんでした(詳しくは次の章) |
考えてみてください。「見積は無料ですか」「工事の期間はどれくらいですか」「対応エリアは三重県まで届きますか」——これは検索エンジンのために書いた文章ではなく、目の前のお客様の不安に答えるために書いた文章のはずです。Googleが表示をやめたことと、その文章がお客様の役に立つかどうかは、まったく別の話です。
ここを分けて考えてください。お金の向きが逆だからです。
| 判断 | 中身 | お金の向き |
|---|---|---|
| ①次の見積から外す (今日決めていい) |
これから発生する費用を、発生させない | 払わない |
| ②いまあるマークアップを消す (急ぐ理由が見当たらない) |
消すための作業を、あらためて発注する | 新たに払う |
効果が無くなった項目を消すために、また作業費を払う。これでは本末転倒です。
そのうえで、正確に書きます。私が2026年8月20日に、Googleの更新履歴(2026年5月8日・6月15日の両方の記載)と、現在の構造化データの対応表を確認した範囲では、「既にあるFAQPageのマークアップを削除してください」と読める記載は見つかりませんでした。
ただし、これは「消しても残しても害はありません」とGoogleが明言した、という意味ではありません。そう書かれた文章を、私は見つけていないからです。見つけていないものを「大丈夫です」と言い換えるのは、誠実ではありません。ですので、私が書けるのはここまでです。
この2つを踏まえた実務的な結論は、「慌てて消しに行く必要はない。サイトを作り直すときや、ページを大きく手直しするときに、ついでに整理すれば十分」です。それ単独で工事を起こすほどの話ではない——というのが、私の見立てです。
ここも混ざりやすいところです。Googleの対応表には、いまも25の機能が載っています。「求人情報」「ローカル ビジネス」「商品」「クチコミ抜粋」「動画」「パンくずリスト」……。終了したのはFAQという1つの機能であって、構造化データという仕組みそのものではありません。
そして「Q&A」と「教育向け Q&A」は、いまも対応表に載っています。
「FAQが無くなったのなら、Q&Aに付け替えればいいのでは」——自然な発想です。しかしGoogleは、それをはっきり禁じています。Q&A構造化データの公式ガイドライン(日本語版)には、使ってはいけない例が複数挙げられており、その1つ目が次の記載です。
使用できない場合の例:
サイト運営者が作成し、ユーザーが他の回答を送信できない FAQ ページ
さらに、同じページにこうも書かれています。
FAQ ページなど、1 つのページに複数の質問が含まれるページに QAPage マークアップを使用しないでください。QAPage マークアップは、1 つの質問とその回答に焦点を当てたページに使用します。
Q&Aは、掲示板や製品サポートのように「訪問者が自由に回答を投稿できるページ」のための仕組みです。会社が自分で質問と答えを書いた「よくある質問」ページは、Googleが名指しで「使用できない場合の例」に挙げています。
つまり「FAQからQ&Aへ移行」という作業を発注すると、費用が発生したうえに、Googleのガイドラインに反した状態になります。もしこの提案を受けたら、上の2つの引用をそのままお見せください。この2文は、Googleの公式ガイドラインにそのまま書かれています。ですから、話は長くなりません。ここは、責める場面ではなく、情報を渡す場面です。
PDFの見積書なら、開いた状態で Ctrl+F(Macは command+F) を押し、上の言葉を1つずつ入れれば数秒で終わります。紙なら、明細の行を上から目で追ってください。ここは社長ご自身にしかできない作業です。手元の見積書は、社長の手元にしかないからです。
| 見え方 | どういうお金か/次の一手 |
|---|---|
| 「FAQ構造化データ実装費 ○○円」と単発で書かれている | 制作時の一回きりの費用。すでに支払い済みなら、それは当時の正しい投資です。次に新しいページを作るとき、この行が同じように付いてこないかを見る |
| 月額の保守費の内訳に「構造化データ保守」「リッチリザルト対応」等として含まれている | 毎月払い続けている可能性がある。次回更新のタイミングでの相談対象になる |
| 内訳が「サイト保守一式 ○○円」だけで、中身が分からない | そもそも判断できない状態。まず内訳を教えてもらう。これは失礼な依頼ではなく、ごくふつうの確認です |
ここで大事なのは、「いくら安くなる」と先に期待しないことです。単発で支払い済みなら今の金額は変わりませんし、保守一式に溶け込んでいる場合は金額が動かないこともあります。それでも確認する価値はあります。次の発注のときに、同じ項目が何も考えずに繰り返し載るのを止められるからです。今日の話は「安くする」話ではなく、「効かないものに払い続けない」話です。
いまお付き合いのある会社へは、こう書けば1往復で終わります。丸ごとコピーしてお使いください(以下は私が作成した文例で、引用ではありません)。
いつもお世話になっております。
1点だけ確認させてください。
Googleが2026年5月7日にFAQ(よくある質問)のリッチリザルト表示を終了し、2026年6月に公式の解説ページも削除した、と知りました。
つきましては、次の2点を教えていただけますでしょうか。
①現在の見積(または保守の内訳)に、この項目が含まれているか
②含まれている場合、次回以降は外す形にできるか
なお、いま入っているマークアップを今すぐ削除してほしい、という意図ではありません。次回の改修のタイミングで、御社のご判断にお任せできればと考えております。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
この文面には、相手を責める言葉を1つも入れていません。意図的です。Googleの変更は制作会社にとっても他人事ではありませんから、むしろ社長から先に共有してもらえたほうが助かる、という会社は多いはずだ——というのが、私の見立てです。
私は名古屋を拠点に、愛知・岐阜・三重の中小企業の経営者の方と仕事をしています。そこで繰り返し見るのは、「効かなくなった項目」が、誰の悪意もなく静かに残り続けるという構図です。
たとえば、こういう場面です。5年前にホームページを作り、そのときに「よくある質問」ページとFAQ対応を入れた。その後、社長は本業が忙しく、ホームページの話をするのは年に1度の更新のときだけ。今回の見積は、前回の見積を土台にして作られる。——これだけで、項目は静かに引き継がれていきます。誰も手を抜いていません。仕組みがそうなっているだけです。
だからこそ、社長ご自身が年に1回、見積書を1枚開いて言葉を検索する——たったこれだけで止まります。そしてこれは、外部の誰かに頼む仕事ではありません。
もうひとつ、はっきり書いておきます。この項目を見積から外したところで、問い合わせが増えるわけではありません。今日の話は「増やす」話ではなく、「減らさない」話です。本当に問い合わせを増やしたいのなら、先に見るべきは「どこで詰まっているか」のほうです。そこは 投資の前に「ボトルネック」(=経営の中で、いちばん詰まっている一か所)を見つける に書きました。見積そのものの見方については 相見積もりの正しい取り方 も、あわせてどうぞ。
ここから先は、私の役割の線引きです。まず、マークアップの追加や削除といった実装作業そのものを、私は代行しません。仕様も設定の履歴も、その会社の手元に揃っているからです。また、この項目を外せば費用が必ず下がる、問い合わせが増える、といったお約束もできません。今日の話は、あくまで「効かないものに払い続けない」ための点検です。私がお引き受けできるのは、こうした支出も含めて、御社のお金と手間がどこで目減りしているのかを数字で見極め、何に・どう投資するかを整理し、実行まで伴走する、その部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。
そのうえで、まずは状況をお聞かせいただきたいという方は、無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。初回面談はオンラインで90分程度。こちらから契約を急かしたり、その場で契約をお願いしたりすることはしません。新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。
※本記事に記載したGoogleの仕様・日付・機能名は、2026年8月20日に上記の公式ページを直接取得して確認した内容です。Googleの仕様は変わります。最新の内容は、上記の公式ページでご確認ください。
※英語の引用は原文のまま掲載し、日本語訳は私が付けたものです。日本語の引用は公式日本語版の記載のままです。引用部分に改変は加えていません。引用中の太字は、見出し部分を示すために筆者が付けたものです。
※「対応表は25の機能」は、2026年8月20日時点で日本語版・英語版それぞれのページのHTMLを取得し、掲載されている機能の行を数えた実測値です。
※「削除を求める記載は見つからなかった」は、私が確認した範囲(上記の更新履歴と対応表)についての記述であり、Googleがそう明言したという意味ではありません。
※当社は「何に・どう投資するか」の交通整理(マーケティング支援)を担います。マークアップの実装・削除の可否や工数、実際の作業については、いまお付き合いのある制作会社・保守会社にご確認ください。