GA4の問い合わせ件数は人数ではなく、受信箱の通数と違っていても不思議ではありません。どちらが正しいかではなく、何を1件と数えているかが先。先月の件数と通数を1回だけ並べ、ズレの向きで次の1手を決めます。数え方はその場で変えません。
前回(9月24日)は、GA4の計測が「止まったら誰が知るか」の話でした。今回は「数え方が合っているか」です。
結論です。ここでいうGA4(Google アナリティクス 4=サイトに来た人の数などを数える、Googleの道具)の「問い合わせ◯件」は、問い合わせの送信をキーイベント(GA4で成果として数える出来事)として数えた件数のことです。Googleのヘルプによれば、その数え方は「イベントごとに 1 回」(起きるたびに数える)か「セッションごとに 1 回」(1回の訪問の中では1回だけ数える)のどちらかです。どちらにしても、人数を数えたものではありません(「人数ではない」は私の言い換えです)。受信箱は届いたメールを1通ずつ数え、GA4は決まった数え方で数えるので、違っていても不思議ではありません。どちらが正しいかではなく、何を1件と数えているかを知るのが先です。
今日、先月1か月のGA4の件数と、受信箱の通数を、1回だけ並べてください。ズレの向き(GA4が多い/少ない/同じ)で、次にやることが決まります。
1手が終わったかの手がかり:2つの数字が並び、向きが1つに決まったら終わりです。
ただし、数え方はその場で変えないでください。Googleのヘルプによれば、変更は変更後に起きたキーイベントにだけ適用され、過去のデータには適用されません。変えると、変える前の月と同じ物差しで比べられなくなります(私の見立てです)。Googleの推奨は「イベントごとに 1 回」で、「セッションごとに 1 回」が正しい、という話ではありません。
ここからは根拠です。Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」(日本語版)には、数え方が2つ、例とともに書かれています。
イベントごとに 1 回(推奨): キーイベントがトリガーされるたびにカウントされます。この方法が推奨されるのは、サイトまたはアプリでのユーザーの行動を反映し、複数のキーイベントが発生したセッションと 1 回のキーイベントのみが発生したセッションを区別できるためです。
セッションごとに 1 回(従来版): 特定のセッション内で、キーイベントが 1 回のみカウントされます。
1 回のセッションでキーイベントが 5 回トリガーされた場合:
[イベントごとに 1 回] の場合、Google アナリティクスでは 5 件のキーイベントがカウントされます。
[セッションごとに 1 回] の場合、Google アナリティクスでは 1 件のキーイベントがカウントされます。
出所:Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」(日本語版)/2026年9月25日に確認。「トリガーされる」は起きること、「セッション」は1人がサイトに来てから離れるまでの、ひとまとまりの訪問のことです。
ヘルプでは「セッションごとに 1 回」に「(従来版)」と添えられていますが、GA4の設定の画面(日本語の表示)には、2026年9月25日時点で、この表記は出ていません。画面では「イベントごとに 1 回」の横に「推奨」と出ます。
どちらの数え方が既定になるかは、同じページにこうあります。
カウント方法を指定しない場合、デフォルトのカウント方法が自動的に使用されます。デフォルトのカウント方法は、キーイベントがどのように作成されたかによって異なります。
次の場合、ユニバーサル アナリティクスの目標に基づいて作成されたすべてのキーイベントについて、デフォルトのカウント方法は「セッションごとに 1 回」です。
自動作成された Google アナリティクスのプロパティの場合
2023 年 4 月以降に、設定アシスタントの目標移行ツールを使用している場合
その他のキーイベントのデフォルトのカウント方法は、すべて「イベントごとに 1 回」です。
出所:同上(日本語版)の「デフォルトのカウント方法に関する注意点」/2026年9月25日に確認。「デフォルト」は何も選ばないときの設定(既定)、「ユニバーサル アナリティクス」はGA4より前の世代のGoogle アナリティクス、「目標」はその中で成果として数えていた設定、「プロパティ」はサイト1つ分のデータのまとまり、「設定アシスタントの目標移行ツール」はその目標をGA4へ移すための道具のことです(言い換えは私のものです)。
読み取れるのは、ここまでです。ユニバーサル アナリティクスの目標から作ったキーイベントのうち、既定が「セッションごとに 1 回」になるのは、ヘルプが挙げる2つの場合に当たるものです。それ以外のキーイベントの既定は「イベントごとに 1 回」です。自社のキーイベントがどちらで数えているかは、推測するより、次の画面で見るほうが確かです。
なお、日本語版のページの末尾には「このページには、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります。AI 翻訳には誤りが含まれている可能性があります。」という注記があります。ここで引いた内容は、英語版(「Change the counting method of key events」)にも同じように書かれています。
パソコンのGA4での手順です。画面の表記どおりに書きます。
数え方を選ぶ(変える)には権限が要ります。Googleのヘルプによれば、プロパティ単位で「マーケティング担当者」以上の権限です。権限が足りないときについては、ヘルプに「注: 必要な権限がないとオプションを選択できません。」とあります。パネルが開けない・選べないときは、担当の方に聞いてください。
注: カウント方法の変更は、変更後に発生したキーイベントにのみ適用され、キーイベントの過去のデータには適用されません。
出所:Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」(日本語版)/2026年9月25日に確認
たとえば10月に変えると、9月までと10月からで、1件の数え方が違う数字が並ぶことになります。前の年の同じ月と比べるときも同じです(私の見立てです)。変えるかどうかは、その数字を何の判断に使うのかを、担当の方と決めてからにしてください。Googleが推奨しているのは「イベントごとに 1 回」です(上の引用のとおり)。
ここに挙げるのは、どれも私の見立てです。上のヘルプ(「キーイベントのカウント方法を変更する」)が書いているのは数え方とその変え方までで、受信箱とのズレの原因は書いていません。原因を1つに決めず、担当の方と1つずつ確かめてください。
月の問い合わせが1桁の会社では、1〜2件のズレで「先月より増えた・減った」が逆になります。たとえば、実際は4通なのにGA4では6件だった月の翌月、実際は5通に増えたのにGA4が5件なら、GA4だけを見ている人は「減った」と読みます(数字は私の例です)。
問い合わせが月に数件という会社は、東海の製造業や工務店などに少なくないと私は見ています。4月始まりの会社なら、上期(4〜9月)を締めて下期の判断をするこの時期に、1回だけ並べておく価値があると考えます。受信箱の通数は、専門の知識がなくても数えられます。
聞くときの1行(例)
先月、GA4の問い合わせは◯件、受信箱に届いたフォームからの通知は◯通でした。問い合わせのキーイベントは、「イベントごとに 1 回」と「セッションごとに 1 回」のどちらで数えていますか。設定は変えずに、教えてください。
相手を責める質問ではありません。数字の意味をそろえるための質問です。
ここまでの1手(受信箱とGA4〔または報告書〕の数字を並べること)は、社長ご自身か、いまGA4を扱っている方の手で済むことです。私の手が要るのは、ズレの原因を切り分ける部分と、数え方や計測の設定を見直す部分、並べた数字を毎月の判断にどう使うかを設計する部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。
なお、並べればズレの原因が分かる、とお約束することはできません。ズレの理由はいくつも考えられ、ここに挙げたものはどれも見立てだからです。
問い合わせの件数の見方でお困りの方は、無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお知らせください。初回面談(90分程度)で伺うのは、現状とお困りごとです。そのうえで、新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。実際に手を動かす部分をご依頼いただく場合は、有償のご支援としてお引き受けします。
※本記事の画面の表記・手順は2026年9月25日に確認した時点のものです。GA4の画面は予告なく変わることがあります。最新はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。
出典(いずれも2026年9月25日に確認)
・Google アナリティクス ヘルプ「キーイベントのカウント方法を変更する」(日本語版)
https://support.google.com/analytics/
answer/13366706?hl=ja
・Google Analytics Help「Change the counting method of key events」(英語版)
https://support.google.com/analytics/
answer/13366706?hl=en