Google広告に少額を出しているのに「何に使われたか」を見ていないと、関連性の低い検索での無駄クリックに予算が溶けます。検索語句レポートで無駄の原因語を見つけ、除外キーワードで止める手順を、東海の中小の経営者向けにやさしく解説します。
結論から言います。Google広告に毎月お金を出しているのに「その広告費が、どんな検索に使われたか」を一度も見ていないなら、今日いちばん先にやるべきことは、管理画面で「検索語句レポート」を開くことです。ここを見れば、あなたの広告が実際にどんな言葉で検索した人にクリックされたかが分かります。そして、目的とズレた言葉での無駄なクリックは、「除外キーワード」という機能で止められます。Google広告の公式ヘルプにも、関連性の低い語句は「除外キーワードとして追加する」とはっきり書かれています。
私は独立前、製造業をはじめ複数の現場で、生産管理や営業に15年たずさわってきました。その頃、使われずに倉庫で眠っている在庫を、私たちは「使われない在庫=無駄」と呼んでいました。関連性の低い検索でのクリックは、これと同じです。商品には結びつかないのに、広告費だけが減っていく「使われない広告費」——放っておくと、じわじわ効いてきます。この記事では、その無駄を自分の手で見つけて止める手順を、はじめての方でも分かるようにお話しします。
Google広告は、あなたが登録したキーワードに「近い」と判断した検索にも、広告を出すことがあります。これ自体は、思わぬお客さんと出会えるありがたい仕組みです。ただ、その”近い”の中には、あなたの商売とは関係のない検索もまぎれ込みます。
たとえば、あなたが「業務用エアコン 修理」で広告を出しているとします。ところが、Googleは「エアコン 修理 自分で」「家庭用エアコン 掃除」といった検索にも、広告を出してしまうことがある。DIYでやりたい人や、家庭用を探している個人は、業務用の修理を頼むお客さんではありません。でも、その人がうっかり広告をクリックすれば、あなたの広告費はしっかり減ります。これが「無駄クリック」の正体です。
やっかいなのは、管理画面のトップ画面だけ見ていても、これに気づけないことです。「今月も予算を使い切りました」としか見えない。中身を開いて初めて、「あれ、こんな関係ない言葉で何回もクリックされていたのか」と分かるのです。
無駄を止める第一歩は、敵の顔を見ることです。それができるのが検索語句レポートです。これは、あなたの広告が表示・クリックされたときに、ユーザーが実際に打ち込んだ言葉を一覧で見せてくれる画面です。「登録したキーワード」ではなく、「本当に検索された、生の言葉」が並びます。
開き方は、Google広告の左メニューから[キャンペーン]→[分析情報とレポート]→[検索語句]と進むだけです(公式ヘルプ・検索語句レポートの確認方法)。表示する指標(列)は自分で選んでカスタマイズできるので、クリック数や費用など、見たい数字を並べて確認できます。
この一覧をゆっくり眺めて、「これは、うちのお客さんが打つ言葉じゃないな」という語句を拾っていきます。先ほどの例なら「自分で」「diy」「家庭用」「無料」といった言葉です。ここで拾った言葉が、次に止める対象になります。
関連性の低い言葉を見つけたら、それを「除外キーワード」に登録します。これは「この言葉が入った検索には、広告を出さないでください」とGoogleに伝えるフタのようなものです。通常のキーワードが「広告を出したい言葉」なら、除外キーワードはその逆=「出したくない言葉」を指定するものだと考えてください。
便利なのは、検索語句レポートの画面から、気になる語句にチェックを入れてその場で除外キーワードに追加できることです。追加する先はキャンペーン単位でも、広告グループ単位でも選べます(公式ヘルプ・検索語句レポートから除外KWを追加)。まずは「このキャンペーン全体で二度と出したくない言葉」なら、キャンペーン単位に入れておくのが分かりやすいです。
ここに、初めての方がつまずきやすい落とし穴があります。検索語句レポートから除外キーワードを追加すると、初期設定では「完全一致」という止め方で入ります(同・公式ヘルプ)。完全一致は、その言葉が”他の言葉を含まず・同じ並びで”検索されたときだけフタをします。
つまり「家庭用エアコン 掃除」を完全一致でそのまま除外しても、言い回しが少し違う検索は、また通り抜けてしまうのです。ここを理解しておかないと、「除外したはずなのに、また似た言葉でクリックされている」ということが起きます。次の章で、この止め方の使い分けを説明します。
除外キーワードには、フタの「かかり方」が3種類あります。公式ヘルプの定義(除外キーワードのマッチタイプ)を、やさしく言い換えるとこうなります。
公式の例が分かりやすいので紹介します。「ランニング シューズ」を部分一致で除外すると、「青 ランニング シューズ」は止まります(両方の語が入っているから)。一方「青 テニス シューズ」は止まりません(「ランニング」が入っていないから)。逆に言うと、登録した語がすべて揃わないと、部分一致でも止まらないということです。
使い分けの目安はシンプルです。「この言葉が入った検索は、まとめて全部いらない」と言い切れるものは、部分一致で広く止める。「この特定の言い回しだけを止めたい」ものは、完全一致で狭く止める。迷ったら、まずは1語(例:「無料」「diy」「求人」など、明らかに客層が違う言葉)を部分一致で止めるところから始めると、効果を実感しやすいです。
これも大事な点です。除外キーワードは、通常のキーワードと違って「似た言葉」を自動で一緒に止めてはくれません(同・公式ヘルプ)。具体的には、誤字・単数形と複数形の違い・同じ意味の別の言葉には対応しません。
たとえば「シューズ」を除外しても、「シューズ」の別表記や誤字、似た意味の言葉は、それぞれ別に追加してあげないと止まらないのです。ですから、検索語句レポートを見ながら、同じような無駄でも表記がちがうものは、面倒でも1つずつ足していく——この一手間が効いてきます。
ここまでを、そのまま真似できる手順にまとめます。管理画面を開いて、上から順にやってみてください。
操作の正式な手順は、キャンペーンに除外キーワードを追加する公式ヘルプに画面つきでまとまっています。あわせて開いておくと安心です。
そして大切なのは、これを一度やって終わりにしないことです。検索される言葉は、季節や世の中の動きで変わります。無理のない範囲で、たとえば手が空いたときに検索語句レポートをのぞく習慣をつけると、無駄が積み上がる前に止められます。
愛知・岐阜・三重で私がお会いする中小・零細企業の多くは、Google広告に大きな金額をかけているわけではありません。1日あたり数千円、といった堅実な予算で回している会社がほとんどです。だからこそ、無駄クリック1件の重みが、大きいのです。
予算に余裕のある大企業なら、多少の無駄クリックは全体の中で埋もれます。でも、限られた予算で戦う会社にとっては、関係ない検索で消えた数百円が、本来届くべきお客さんへの広告表示を1回分、押しのけているかもしれない。少額予算というのは、1円あたりの働きを、大企業以上にシビアに見なければならないということです。検索語句レポートと除外キーワードは、そのための、お金のかからない道具です。
私が広告を「出しっぱなしにしないでください」と口を酸っぱくして言うのは、製造の現場で”使われない在庫”をなくすのと同じ発想です。使われないものに、お金を寝かせない。広告費も在庫も、そこは同じだと考えています。この「どこで無駄が起きているかを、数字で見て止める」という考え方は、ホームページの改善でもまったく同じです。あわせて、ホームページから問い合わせが来ない|GA4で客が逃げる場所を見つけるもお読みいただくと、広告とサイトの両面で”無駄の見つけ方”が立体的につかめます。
難しく考える必要はありません。今日お伝えしたことは、突き詰めれば2つです。①検索語句レポートで、実際に検索された言葉を見る。②うちのお客さんじゃない言葉を、除外キーワードで止める。これだけで、あなたの広告費は”使われる方向”に少しずつ向いていきます。
まずは明日、管理画面を開いて検索語句レポートを眺め、「これは違うな」という言葉を1つだけ除外してみてください。その1つが、無駄を止める最初の一歩になります。
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