現場から見た経営とお金の使い方

集客にお金を使う前に|決算書で自社の弱点を確かめる公的な無料ツール

この記事の要点

「集客が弱い」と決める前に、自社の弱点がどこなのかを確かめる手順です。中小機構の経営自己診断システムは登録不要・無料。収益性など5つの面で同じ業種の法人と比べられます(成長性は前期の数字が必要)。前提と限界、今日やる1手まで書きました。

ホームページを作り直そうか、と見積もりを取っている社長へ。判を押す前に、少しだけ寄り道してください。広告を出そうか迷っている方、SNSに人を張り付けようか考えている方も、同じです。

見るのは5つの面のうち、たった1つだけです。数字が苦手でも構いません。決算書を1通用意して、そこに書いてある数字を写すだけで済みます。

先に結論だけ言います

①結論:会社の弱いところは5つの面に分かれていて、集客はそのうちのごく一部です。「うちは集客が弱い」と決めるのは、5つの面のうちどこが弱いのかを見てからでも、じゅうぶん間に合います。そして、その確認は決算書の数字を写すだけで済みます。ここに書いた確認は、無料で、社長ご自身の手でできます。読んだうえで、私から何かを買っていただく必要はありません。

②今日やる1手:顧問税理士か、経理を見てくださっている方へ、次の1通を送るだけです。目安3分。(決算書=会社の財産と借金の一覧、1年間の売上と利益の計算書のことです)

いつもお世話になっております。
公的な無料の自己診断ツールで、自社の経営状態を一度自分で見ておきたく、直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)のPDFを1通いただけますでしょうか。
あわせて、前期の数字が横に並んだ形のものがありましたら、そちらをいただけると助かります。
お手間を取らせるものではなく、ファイルをそのままお送りいただければ大丈夫です。お手すきのときで構いません。よろしくお願いいたします。

自社で決算書を保管しているなら、机の上に出しておくだけで今日は終わりです。実際に数字を入れて診断するのは、後日で構いません。そちらは、目安として30分から1時間かかります。正直に書きます。15分では終わらないはずです。だから今日は、材料をそろえるところで区切ります。月曜の朝に「まず決算書を探してくる」から始めると、この話は「あとで読む」に落ちて、たいてい二度と開かれないからです。

③この記事の対象:これからホームページ・広告・SNS・動画など、外に向けた支出をひとつ増やそうとしている中小企業の経営者の方です。金額の大小は問いません。直近の決算書が手元にあるか、頼めば1通もらえる方——必要なのはそれだけです。専用のアカウントも、管理者権限も、新しい契約も要りません。

逆に、対象でない方:「どの広告が効くのか」「どんなホームページにすべきか」の答えを探している方です。この記事は、その答えを持っていません。ここでお渡しするのは、そもそも今それにお金を使う場面なのかを、社長ご自身で確かめる手順です。それから、まだ決算を1期も終えていない会社も、比べる材料がそろわないので今回は対象外になります。


「集客が弱い」と決める前に、なぜ測るのか

私は以前、中小企業のお金の使い方|投資の前に「ボトルネック」を見つける現場術 という記事を書きました。経営のボトルネック(詰まっている一番の課題)——つまり、どこが詰まっているのかを先に見つけてから、お金を使いましょう、という話です。独立する前の15年、製造・生産管理・営業の現場にいました。工場のラインを見てきたので体に染み付いているのですが、ラインは、一番遅い工程の速さでしか流れません。その工程の前に人や機械をいくら足しても、手前に仕掛品が積み上がるだけで、出口の数は1つも増えません。

あちらの記事が「なぜ先に測るのか」なら、この記事は「では、何を、どうやって測るのか」です。詰まっている場所を、財務の側から確かめる道具の話をします。

先に、はっきり申し上げておきたいことがあります。これまでホームページや広告にお金をかけてきた会社ほど、この確認は早く腹に落ちます。手を打ってきたからこそ、「どこが動いて、どこが動かなかったか」の手応えが社内に残っているからです。当時の判断は、そのとき持っていた材料の中では正しかった。ただ、材料というのは後から増えます。増えた材料で見直すのは、前の判断を否定することではありません。次の一手を決めるための、確かな土台になります。

会社の弱点は、5つの面に分かれます

使う道具は、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が公開している「経営自己診断システム」です。利用者の登録はいりません。費用もかかりません。決算書の数字を入れると、その場で結果が出ます。

入口のアドレスを書いておきます。入れるのは自社の決算数値ですから、行き先を自分で確かめてから開くほうが安心です。

中小機構「経営自己診断システム」
https://k-sindan.smrj.go.jp/

ここで見えるのは、会社の状態を5つの面に分けたものです。収益性・効率性・生産性・安全性・成長性——この5つです。言葉が硬いので、私なりに言い換えます。

ひとことで言うと 弱っているときに出やすい社内の景色
収益性 売って、いくら残っているか 売上は前年並みなのに、手元に残った感じがしない。見積の値引き一行が、いつのまにか常態になっている。
効率性 持っている資産が、ちゃんと売上に回っているか 倉庫の奥に、動かない在庫がある。売ってから入金までの期間が、少しずつ延びている。
生産性 一人あたりで、どれだけ稼げているか 人を増やしたのに、忙しさだけが増えて、利益が付いてこない。
安全性 借入や手元の現金が、無理のない範囲か 支払いと入金の順番を、毎月カレンダーで数えている。
成長性 去年と比べて伸びているか 去年と同じことをして、去年と同じ結果になっている。

※左と真ん中の列は5つの面の名前にもとづくものですが、右の列は公式サイトに書かれている内容ではありません。私の当てはめです。

お気づきでしょうか。「集客」という言葉に近いのは、5つのうち成長性だけです。——この当てはめも、私の読み方です。残りの4つは、すでに入ってきている仕事を、どう利益と現金に変えているかの話です。集客にお金を足して効くのは、この4つがひととおり回っているとき——これが、この記事でお伝えしたいことの中心です。

先に、この道具の前提を5つ書いておきます

便利な道具ですが、できないことがあります。後から知るとがっかりする種類のものなので、使う前にまとめて書いておきます。先に申し上げておくと、この5つを知ったうえで使えば、この道具はじゅうぶん役に立ちます。どれも「使えない」という話ではなく、「ここまでの精度で読む」という話だからです。むしろ、限界を知らないまま出てきた結果を鵜呑みにするほうが、判断を誤ります。読み飛ばさずに、5つとも目を通してください。

前提 中身
①比べる相手は「同じ業種の法人」。地域では比べられない 比べる相手は、同じ業種の法人の決算データです。中小機構は、比べる相手を業種が同じ会社と説明していて、地域で絞る仕組みにはなっていません——つまり、愛知の同業だけと比べてくれるわけではない、ということです。私の商圏は愛知・岐阜・三重ですが、この道具は「東海の同業と比べる」ためのものではありません。ここを期待して使うと、あとでがっかりします。
②個人事業主は「参考値」 中小機構は、比較に使っているデータがすべて法人のものであるため、個人事業主が使う場合はあくまで参考値になる、と説明しています。使えないわけではありません。ただ、出てきた位置の精度は落ちます。
③自社の業種が無いことがある 中小機構の説明によれば、業種の区分は、決算データが1,000社以上得られる範囲で整理されたものです。自社に当てはまる業種が見つからないときは、近い業種を選んだうえで、参考程度に見てほしいという案内になっています。どんな業種でも使える、とはされていません。私も、そうは申し上げません。
④比較用データの更新は年1回(4月頃) 中小機構の説明によれば、比較の物差しになるデータは年1回、4月頃に更新されるとされています。昨日の同業と比べているわけではありません。四半期ごとに測り直して一喜一憂する、という使い方には向きません。
⑤前の期の数字を入れないと「成長性」は出ない 5つの面のうち成長性だけは、前の期の数字も入れないと出ません。5つのうち1つが空欄のまま終わる、ということです。今日の1手で「前期分も並んでいると助かります」とお願いしているのは、これが理由です。

②について、もう一段だけ書き添えます。個人事業主の方は「では、うちは意味がないのか」と思われるかもしれません。そうではありません。比較の目盛りが法人のものである以上、位置の精度は落ちます。それでも、自分の数字を業界の目盛りに一度だけ乗せてみること自体に、意味があります。「なんとなく苦しい」が「ここが薄い」に変わるだけで、次に相談する相手も、聞くべきことも変わります。ただし、その位置を使って何かを決めるときは、参考値であることを一緒に持っていってください。

なお、この「比べる相手は誰なのか」を先に確かめる見方は、統計を経営判断に使うときの共通の作法でもあります。別の記事に書きました——「企業の8割」に自社は入っていますか|統計の調査対象欄を見る30秒

使い方:今日は3分、診断は後日30分〜1時間

今日やること(目安3分)

冒頭の依頼文を1通送る。それだけです。自社で保管しているなら、机に出す。ここで止まらないことが、この記事のすべてです。

決算書というのは、ふつう貸借対照表(ある時点での、財産と借金の一覧表)と損益計算書(1年間の売上と利益の計算書)が並んだものです。入れるのは、そこに載っている主な科目の金額です。資産や負債の合計欄のほか、現金・預金、売掛金、棚卸資産、借入金、売上高、営業利益、経常利益といった、決算書の表に並んでいる数字が中心になります。

後日やること(目安30分〜1時間)

決算書を見ながら、数字を写していく作業です。途中で席を立たずに済むよう、電卓と、前の期の決算書も横に置いてから始めてください。

入力が終わると、5つの面について結果が出ます(前の期の数字を入れていない場合、成長性は空欄のままです)。中小機構の説明によれば、5つの面はさらに全27の指標に分かれていて、内訳まで見られるようになっています。ただ——27の指標名を覚える必要はありません。初回は読み飛ばして構いません。最初に見るのは、5つの面のうち「下回っている」と出たものだけです。そこから細かい指標に降りていくのは、必要になってからで間に合います。

数字を入れることに不安を感じる方もいるはずです。私も、他所のサイトに自社の決算数値を入れるとなれば同じことを考えます。この点について、中小機構は、会社が特定される情報の入力を求めておらず、入力された財務情報も保存していない、と説明しています。なお同じ案内には、次回の入力の手間を省くため、前回入力した数値がご自身のパソコン内にCookie(クッキー=サイトが訪問者のパソコンに残す小さな記録)として保存される旨も書かれています。共用のパソコンでお使いになるときは、この点だけ頭に置いておいてください。

途中で手が止まりやすい3か所(先回りしておきます)

ここから先は公式サイトの記述ではなく、決算書を前にしたときに実際につまずきやすい箇所を、私が当てはめて書いたものです。公式の案内と混ぜて読まないでください。

その前に、ひとつだけ。これから会計の言葉が続けて出てきますが、全部をご自身で分かっている必要はありません。分からない項目が出てきたら、そこで手を止めて調べ込むのではなく、「これは後で聞く」と紙に書き出しておいてください。まとめて1回、顧問税理士や経理を見てくださっている方に聞けば済むことがほとんどです。数字が苦手でも構わない、というのは、ここでも変わりません。

  1. 手形の割引高・裏書譲渡高。入力する項目のなかに、この2つがあります(手形を期日前に銀行で現金に換えることを「割引」、仕入先への支払いに手形をそのまま回すことを「裏書譲渡」と呼びます)。私の当てはめですが、この2つは決算書の本表に見当たらないことがあります。注記や内訳明細の側に載っているためです。手形の割引も裏書もしていない会社なら、この項目は 0 のまま進めて構いません。ここで探し回って15分溶かすのは、もったいない。
  2. 減価償却の実施額。建物や機械の値段を、使う年数で割って毎年費用にしていく分のことです。ここを入れる項目もあります。私の当てはめですが、販売費及び一般管理費(本社や営業でかかった費用のまとまり)の側だけを見て拾うと、製造原価(モノを作るためにかかった費用のまとまり)に含まれている分が抜けることがあります。製造業の方は特にご注意ください。分からなければ、決算書をお願いするときに「今期の減価償却費の合計はいくらですか」と一行足して聞くのが早いです。
  3. 前の期の数字(資産合計・純資産合計・売上高)。成長性を出すには、この3つが要ります。私の当てはめですが、決算書が前期と横並びの比較形式になっていれば、その場で取れます。並んでいなければ、前期の決算書をもう1通もらうことになります。今日の依頼文に前期分を入れておく理由は、ここにあります。

結果は「どの面が下回っているか」で出ます

結果は、入力した面それぞれについて、同じ業種の会社の真ん中(中央値)と比べて上回っているか、同じくらいか、下回っているか、という形で示されます。天気の記号(晴れ/晴れ時々曇り/曇り)で表す作りだと、中小機構は説明しています。

細かい点数は、初回は気にしないでください。見るのは1つだけ——「曇り」が付いた面はどれか。それだけです。

ひとつだけ、心構えを。この道具が返すのは、同じ業種の会社と並べたときの位置です。御社の受注の見通しも、取引先との関係も、これから仕込んでいる新しい仕事も、そこには入っていません。温度計だと思ってください。診断書ではありません。気になる結果が出たときに持っていく先は、この記事の続きではなく、顧問税理士や取引金融機関です。

下回っていたのは、どの面だったか

ここからが本題です。「曇り」が付いた面ごとに、次に何を決めるかを並べます。

※この表は公式サイトに書かれている内容ではありません。私の読み方です。また、これは順番の話であって、「こうすれば売上が上がる」という約束ではありません。

曇りが付いた面 私の読み方と、次に決めること
収益性 いま、集客にお金を足す場面ではありません。1件あたりの残り方が薄いまま件数だけ増やすと、増えるのは忙しさで、残るものは同じようには増えません。先に決めるのは値決めです。——直近1年で、値上げを言い出せなかった取引先はどこか。見積の何%を、慣習で引いているか。運賃・材料・電気代の上がった分は、いつの見積から反映されたか。ここを1つ動かすほうが、広告費を足すより効きが速いことがあります。
効率性 いま、集客にお金を足す場面ではありません。会社の中に、動いていない資産があるという信号です。先に決めるのは、寝ている在庫と、回収の速さです。——半年動いていない在庫の金額はいくらか。売ってから入金までの日数は、去年と比べて延びていないか。ここが詰まったまま新規を増やすと、増えるのは手元の現金ではなく立替金のほうです。
生産性 いま、集客にお金を足す場面ではありません。一人あたりで見て伸びていないということは、受注が増えた分だけ人と時間が食われる構造になっている可能性があります。先に決めるのは、段取りと任せ方です。——社長でなくてもできる仕事が、まだ社長の机に何時間ぶん残っているか。同じ手順を3回以上くり返している作業は何か。ここを放ったまま問い合わせを増やすと、現場が先に詰まり、対応が遅れ、せっかく来た話を取りこぼします。集客の効果を、自社で打ち消してしまう形です。
安全性 いま、集客にお金を足す場面ではありません。広告費のように先に出ていって、後から返ってくるかどうかが分からない支出は、手元に余裕がある会社の打ち手です。先に決めるのは、返済と手元資金です。——毎月の返済額と月商のバランスはどうか。手元の現金は何か月ぶんあるか。ここは自己判断で動かさず、数字を持って顧問税理士や取引金融機関に相談する場面です。
成長性だけが曇り (ほかの4つは同業と同じくらいか、それ以上)
ここで初めて、外に向けた打ち手を検討する段階に入ります。利益の残り方も、資産の回り方も、一人あたりの稼ぎも、資金繰りも同業並み。それでも伸びていないなら、外との接点を増やす話になります。ただし——これで「原因は集客だ」と決まったわけではありません。伸びていない理由には、既存のお客様が静かに離れている、単価が下がっている、商品が合わなくなっている、といった線も残っています。順番として、ここでようやく検討の土俵に乗る、という意味です。

お気づきのとおり、5つのうち4つで、私は「いま集客にお金を足すのは、順番が違います」と書きました。Webマーケティングの支援を仕事にしている私が、です。

矛盾しているように見えるかもしれません。理由は単純です。私の見立てですが、順番を飛ばして出した広告費は、「効かなかった」という記憶だけを残して消えてしまうことがあります。そして、その記憶は社内に長く残ります。本当に外に出るべき時が来たときに、「前にやって駄目だった」の一言で、その手が使えなくなる。私が困るのは、そこです。だから、順番の話を先にします。

「うちは税理士が見てくれている」という方へ

顧問税理士が経営分析まで見てくださっているなら、それはとても心強いことです。この道具より、そちらのほうが御社の実情をずっと知っています。取引の事情も、資産の中身も、社長のお人柄も分かったうえでの分析です。比べる話ではありません。

そのうえで、違いを1つだけ。違うのは中身ではなく、タイミングです。税理士の分析を受け取るのは、決算や訪問といった決まった節目。これは、社長がお金を出すかどうかを決める、まさにその場で、誰にも頼まず自分で回せるものです。

見積書を前にして迷ったその夜に、自分で数字を入れて、5つのうちどれが曇っているかを見る。タイミングの主導権が、社長の側にある。違いはそこだけです。そして、迷いが晴れないなら、その結果を持って次の面談で税理士に聞けばいい。質問が具体的になっているぶん、話が早く進みます。

やらないほうがいいこと、3つ

※この3つは、私の見立てです。

  1. 結果を、人の評価に使う。「生産性が曇りだった」を現場にそのまま持っていくと、数字は次から歪みます。これは会社の構造を見るための紙であって、誰かの働きぶりを採点する紙ではありません。見せるときは、その線を先に引いてください。
  2. 1回の結果で、会社の全部を決めつける。比較用データの更新は年1回(4月頃)で、業種の区分も、決算データが1,000社以上得られる範囲で整理されたものだと中小機構は説明しています。温度計であって、診断書ではありません。気になった面を翌期にもう一度測って、動いたかどうかを見る。その使い方のほうが効きます。
  3. 曇りが1つ出ただけで、大きな投資を即決する。とくに安全性や収益性で気になる結果が出たときほど、慌てて何かを買いたくなります。順番は逆です。まず結果を持って、顧問税理士に見てもらう。動くのは、その後で間に合います。

まとめ

  • 会社の弱いところは5つの面(収益性・効率性・生産性・安全性・成長性)に分かれ、集客に近いのは成長性だけ——これは私の読み方。「うちは集客が弱い」は、5つを見てから決めても間に合う。
  • 今日やる1手:顧問税理士か経理担当へ「直近の決算書のPDFを1通。前期分も並んでいると助かります」と1通送る。そのとき、何に使うのかを半行だけ添える(=自分で見ておきたい、という一言。相手に作業は生じない旨も添えると早い)。目安3分。自社保管なら机に出すだけ。
  • 診断そのものは後日で構わない。所要の目安は30分〜1時間。15分では終わらないと見ておく。使うのは中小機構の「経営自己診断システム」で、登録は不要、費用もかからない。
  • 手が止まりやすいのは3か所——手形の割引高・裏書譲渡高/減価償却の実施額/前の期の3つの数字。この3つのつまずきは私の当てはめであって、公式サイトの記述ではない。
  • この道具の前提は5つ:①比べる相手は同じ業種の法人で、地域で絞る仕組みではない(=東海の同業と比べる道具ではない) ②中小機構は、比較データがすべて法人のものであるため個人事業主は参考値と説明している ③中小機構の説明によれば、業種の区分は決算データが1,000社以上得られる範囲で整理されたもので、自社の業種が無い場合は近い業種で参考程度に見る ④中小機構の説明によれば、比較用データの更新は年1回(4月頃)前の期の数字を入れないと成長性は出ない。
  • 5つのうち4つは、「いま集客にお金を足す場面ではない」に着地する。先に手を付けるのは、値決め・在庫と回収・段取りと任せ方・返済と手元資金。
  • ほかの4つが同業並みで、成長性だけが曇りのときに、外に向けた打ち手が土俵に乗る。ただしそれでも「原因は集客だ」と決まったわけではない。
  • 温度計であって、診断書ではない。気になる結果が出たら、その結果を顧問税理士や取引金融機関へ。

私は名古屋を拠点に、愛知・岐阜・三重の中小零細企業を対象に仕事をしています。経営者の方とお話ししていて思うのは、「投資が足りない」より「順番を測っていない」ほうが、はるかによく目につくということです。そして、順番を測るこの確認は、決算書が1通あれば、今日から社長ご自身の手でできます。

ここから先は、私の役割の線引きです。この診断は、私が代わりに入力して差し上げるものではありません。御社の数字は御社のものですし、この道具は登録も要らず、社長ご自身の手で回せる形になっているからです。財務・税務の個別の判断についても、私は踏み込みません。そこは顧問税理士や該当分野の専門家の領分です。私がお引き受けできるのは、出てきた結果を踏まえて、何に・どういう順番でお金を使うかを整理し、その打ち手が回るようになるまで伴走する、その部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。

そのうえで、まずは状況をお聞かせいただきたいという方は、無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。初回面談はオンラインで90分程度。こちらから契約を急かしたり、その場で契約をお願いしたりすることはしません。新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。


出典(2026年8月24日に取得)

  • 中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)「経営自己診断システム」
    https://k-sindan.smrj.go.jp/
  • 同システム内の案内ページ(操作方法・結果の見方・よくあるご質問)
    https://k-sindan.smrj.go.jp/guide
    https://k-sindan.smrj.go.jp/viewpoint
    https://k-sindan.smrj.go.jp/qa

※本記事に書いた「経営自己診断システム」の内容は、上記の各ページに2026年8月24日時点で掲載されていた案内を確認し、筆者の言葉で要約したものです。原文をそのまま転載してはいません。サービスの内容は変わることがありますので、ご利用前に公式サイトで最新の案内をご確認ください。
※本文中の依頼文の例、5つの面の言い換え、「弱っているときに出やすい社内の景色」、手が止まりやすい3か所、「曇りが付いた面ごとに次に決めること」の表は、いずれも私が作成した当てはめであり、公式サイトに書かれている内容ではありません。
※本記事は、何に・どういう順番でお金を使うかという交通整理(マーケティング支援)の観点から書いたものです。財務・税務・資金繰りの個別の判断は、顧問税理士や該当分野の専門家にご相談ください。本記事は特定の結果を保証するものではありません。

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