現場から見た経営とお金の使い方

10月13日、Office 2021は更新が止まる|先にパソコンを数える

この記事の要点

10月13日でOffice 2021のサポートは終了。アプリは動き続ける可能性がある一方、セキュリティ上のリスクにさらされうるとMicrosoftは書いています。全台買い替えでも放置でもなく、先にパソコンの台数と使い方を紙に3列で数えます。

社内のパソコンで「Office 2021」を使っている会社の方へ。

結論から書きます。Office 2021 のサポートは、2026年10月13日で終わります。延長はなく、延長のセキュリティ更新もありません。一方で、Office 2021 のアプリはその後も動き続ける可能性がある、とMicrosoftは書いています。そして同じ段落で、深刻で害を及ぼしうるセキュリティ上のリスクにさらされる可能性がある、とも書いています。「動かなくなる」わけでも、「そのままで安全」なわけでもありません。

だから、答えは「全台いま買い替え」でも「何もしない」でもありません。先に、パソコンの台数と使い方を数えてください。どの台を、いつ、どうするかは、それを見てから決めてください。

先にお断りしておきます。どの製品に切り替えるか、いつ買うかは、それぞれの会社が決めることです。この記事は、特定の製品や購入を勧めるものではありません。

まず、この記事の対象かどうか——4つに分けます

  • (a) 社内のパソコンに「Office 2021」(Home and Business・Home and Student〔それぞれ Mac 版を含む〕・Professional など)が入っている……この記事の対象です。組織向けの「Office LTSC 2021」も、同じ10月13日にサポートが終わるとMicrosoftは書いています。
  • (b) すべての台で、月払い・年払いで契約する Microsoft 365 を使っている……今回の10月13日の話は Office 2021 についてのもので、この記事の対象外です。Office 2021 の台が1台でも混ざっているなら、対象です。
  • (c) どれが入っているか分からない……今日の1手の中で確かめます。
  • (d) Office を使っていない……この記事の対象外です。

(b)(d)の方へも、1つだけ。下の1手の1列目(パソコン:誰の・どこの)だけは、書いておいてください。期限のある支出が次に机に来たとき、見積の台数とそのまま突き合わせられます。

今日やる1手——紙に3列、パソコンを1台1行で

紙に3列の表を書き、社内のパソコンを1台1行で埋めます。

  • ① パソコン(誰の・どこの)
  • ② 入っているOffice(2021/365/その他/なし/不明)
  • ③ そのパソコンで、社外から届いたファイルを開くか(取引先の見積・図面・メールの添付ファイルなど。開く/開かない)

②の確かめ方:Word や Excel を開き、[アカウント] を選びます([アカウント] が使えないときや、すでにファイルを開いているときは、[ファイル] から [アカウント] か [ヘルプ] を選びます)。Microsoft の案内では、[製品情報] の下に Office 製品の名前が表示されます。その名前に「2021」が入っているかを見てください。Mac では、[Word] メニューの [Word について] で、バージョン番号とライセンスの種類が表示されます。製品名で分からない台や、その日に確かめられない台は「不明」のまま残して構いません。

書けたら、②が「2021」で、③が「開く」の台に印を付けます。

②が「不明」の台には、印とは別に△を付けます。買ったときの記録(納品書・領収書)を見るか、そのパソコンを用意した人に確かめる台です(ここは私の見立てです)。

全台が1行ずつ埋まり、印の付いた台と「不明」の台が、それぞれ何台か数字で出たら、今日の1手は完了です。「不明」で③が「開く」の台は、印の台と同じく先に確かめる台です。

印の意味は、私の考えとして書きます。社外から届くファイルを開く台は、取引先から預かっている情報に関わる台です。だから、手当てを優先して考える台だと私は考えています。②が「2021」でも③が「開かない」台は、急ぐ理由が相対的に小さい台です。ただし、更新が止まることに変わりはなく、「安全」という意味ではありません。

Microsoftが書いていること

ここからは根拠です。Microsoftのサポートページ「End of support for Office 2021」の冒頭の段落を、そのまま引きます(英語の原文と、当社の訳です)。

Support for Office 2021 will end October 13, 2026 and there will be no extension and no extended security updates. All of your Office 2021 apps may continue to function. However, you could expose yourself to serious and potentially harmful security risks.

出典:Microsoft サポート「End of support for Office 2021」

当社の訳:Office 2021 のサポートは2026年10月13日に終わり、延長も、延長のセキュリティ更新もありません。Office 2021 のアプリはすべて、引き続き動作する可能性があります。ただし、深刻で、害を及ぼしうるセキュリティ上のリスクに、自らをさらすことになる可能性があります。

読みどころは、2文目と3文目が「動く可能性がある」「ただし、リスクにさらされうる」と、1つながりで書かれていることです。片方だけを取り出すと、「10月13日で使えなくなる」にも、「使えるなら問題ない」にも読めてしまいます。どちらも、Microsoftが書いていることとは違います。

10月13日の後に止まるもの

同じページは、10月13日の後に何が変わるかを4つ挙げています。要点を自分の言葉でまとめると、次のとおりです。

  • 後から報告・発見される弱点(脆弱性=ぜいじゃくせい。悪用されうるソフトの欠陥のこと)に対して、技術サポート・不具合の修正・セキュリティの修正が提供されなくなる。パソコンを有害なソフトから守るのに役立つセキュリティ更新も、ここに含まれる。
  • Office 2021 のソフトウェアの更新が届かなくなる。
  • 電話やチャットでの技術サポートが受けられなくなる。
  • サポートの案内の更新が止まり、オンラインのヘルプの多くは引き上げられる。

4つ目があるので、②の列は、案内が読めるうちに埋めておいてください。

「家庭向け」と「職場・学校向け」の案内が分かれています

このページは、案内を2つに分けています。1つは、Office 2021 を家庭で使っている場合。例として「Office Home & Student 2021」「Office Home & Business 2021」が挙がっていて、引き続き使うことはできるが、最新の機能や修正、セキュリティ更新を受け続けられるよう、新しい版へのアップグレードを勧める、という案内です。もう1つは、職場や学校のIT部門(社内のパソコンやシステムを管理する部署)が管理している Office 2021 の場合です。こちらは、アップグレードの方法はIT部門の窓口に問い合わせるよう案内し、IT部門には独自の計画があるだろう、と書いています。あわせて、組織でまだ Office 2021 を使っている管理者には、できるだけ早く利用者を最新の版へ上げることを強く勧めています。

ここからは私の読みです。情報システムの担当者を置かずに Office Home & Business 2021 を使っている会社は、Microsoftの分け方では「家庭向け」の案内に近いところにいます。そして「IT部門の計画」に当たるものが社内に無いなら、その計画の最初の1枚が、今日の3列の紙です。

組織向けの Office LTSC 2021 について

組織向けの Office LTSC 2021 について、Microsoftは別のページ(Microsoft Learn「Office LTSC 2021 reaching end of support on October 13, 2026」)で、同じ10月13日にサポートが終わると書いています。この日の後は、技術サポート・不具合の修正・セキュリティ更新が提供されなくなり、組織がセキュリティ上のリスクにさらされる度合いが高まるおそれや、守るべき決まり(コンプライアンス)に影響する可能性がある、とも書いています。サポートされた環境にとどまるには Microsoft 365 Apps への移行を今から始めるよう書き、クラウド(インターネット上のサービス)へ移る準備ができていない組織には Office LTSC 2024 を推奨の移行先としています。これはMicrosoftの推奨であって、当社の推奨ではありません。

Mac版も同じ扱いです

Microsoft のライフサイクルのページ(Microsoft Learn「Office 2021」)では、Office 2021 の対象に Mac 版(Home and Business for Mac・Home and Student for Mac)も含まれています。Mac での確かめ方は、1手の②に書いたとおりです。案内では、[Word] メニューの [Word について] を選ぶと、開いたダイアログボックス(小さな確認の窓)に、バージョン番号とライセンス(使う権利)の種類が表示されます。そこで2021かどうか読み取れなければ、「不明」として、買ったときの記録を見てください。

「期限だから全台」の見積が届いたら

10月13日が近づくと、販売店やパソコンの面倒を見てくれている会社から、「全台を入れ替えましょう」という見積が届くことがあるかもしれません。期限をきちんと知らせてくれるのは、ありがたいことです。

そのうえで、見積を読む前に、今日の3列の紙を横に置いてください。見積の台数と、紙の行数は合っていますか。印の付いた台と付いていない台で、急ぐ度合いを分けて相談できないでしょうか。紙があれば、「全台」か「何もしない」かの2択ではなく、「印の付いた台から」という相談ができます。

見積を前にして判を押す前に、その支出がどういう手なのかを確かめる考え方は、その支出は、上から何番目の手ですか|対策には4つの段階があるにまとめています。

印の付いた台をどうするか——選択肢を並べます

どれがよいかは、台数・使い方・予算で会社ごとに違います。ここでは優劣を付けずに並べます。

  • 新しい版のOfficeに買い替える
  • Microsoft 365 の契約に切り替える
  • その台の使い方を変える(社外から届くファイルを開く役目を、更新が続いている別の台に寄せる、など)。ただし、その台の更新が止まることに変わりはありません。

どれを選ぶにしても、決めるときの材料は今日の紙です。何台が対象で、そのうち何台が社外のファイルを開くのか。そこが数字で出ていれば、期限は「慌てて全台」の理由にも、「まだ動くから放置」の理由にもなりにくくなる、と私は考えています。

2021年ごろに Office 2021 を選んだことについて

「あのとき別の選び方をしておけばよかった」と思う必要はありません。当時の判断は、その時点では筋が通っていたはずです。今日の話は、その続きをどう決めるか、というだけのことです。

私は独立前、製造業をはじめ複数の現場で、生産管理や営業に15年たずさわってきました。期限のある支出ほど、先に数を数えると、判断が「全部か、ゼロか」から「どこから、いくつ」に変わる。私はそう考えています。

今日のまとめ

  • Office 2021 のサポートは、2026年10月13日で終わります。延長も、延長のセキュリティ更新もありません。
  • アプリはその後も動き続ける可能性がある一方で、深刻なセキュリティ上のリスクにさらされる可能性がある、とMicrosoftは同じ段落で書いています。「動かなくなる」も「そのままで安全」も、どちらも違います。
  • 今日やることは1つ。紙に3列(パソコン/入っているOffice/社外から届いたファイルを開くか)を書き、1台1行で埋めて、「2021」で「開く」の台に印を付ける(「不明」の台には△)。
  • どの製品に切り替えるか、いつ買うかは、それぞれの会社が決めることです。この記事は、特定の製品や購入を勧めません。
  • 「全台」の見積が届いたら、紙を横に置いて台数を合わせてから相談する。

ご相談について

ここまでが、Microsoftが公表している事実と、その読み方です。どの製品をいつ買うかは、それぞれの会社が決めることで、私は特定の製品や購入をお勧めしません。

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※本記事の内容は、2026年9月25日時点でMicrosoftのサイトに掲載されていたものです。Microsoftは、10月13日の後にオンラインのヘルプの多くを引き上げると書いています。最新はMicrosoftのサイトでご確認ください。

出典

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