Web集客のボトルネック

広告なのにGA4では「オーガニック」|URLから消える目印の文字列

この記事の要点

Google広告のリンクに自動で付く目印が、サイトの転送設定で消えることがあります。するとGA4には「(not set)」やオーガニックとして記録され、効いている広告を止めてしまう。ブラウザだけでできる確認手順と依頼文をまとめました。

先に、この記事の対象をハッキリさせます。Google広告を出している会社(または、代理店などに出してもらっている会社)の経営者の方だけが対象です。広告を出していない方には、1ミリも関係のない話です。ここで閉じていただいて構いません。

当てはまる方へ。「広告を止めたら、なぜか問い合わせまで減った」——そんな経験、あるいは心当たりはないでしょうか。もしあるなら、この先を読む価値があります。

先に結論だけ言います

①結論:広告のリンクには、「この訪問は広告から来たものだ」と後から分かるように、目印の文字列がGoogleによって自動で付けられます。ところが、その文字列がお客様が自社サイトに着地するまでの間に、途中で消えてしまうことがあります。消えると、その訪問は「広告から来た」と分からなくなり、GA4(自社サイトに何人来て、どう動いたかを無料で見られるGoogleの道具)には「(not set)」(どこから来たか分からなかった、という意味の表示)や「オーガニック」(広告費をかけずに検索結果から来た、という意味。日本語では「自然検索」とも呼ばれます)として記録されます。Googleのヘルプに、そう明記されています。

この事故がやっかいなのは、数字が”壊れて”見えないことです。エラーも警告も出ません。「オーガニックはそこそこ来ている。広告はイマイチだ」という、まったく正常に見える形で並びます。だから誰も疑いません。そして——効いている広告を「効いていない」と読んで、止めてしまう。止めたあとに問い合わせが減っても、その理由はもう、誰にも分かりません。

②今日やる1手:広告のリンク先URL(広告をクリックした人が最初に着く、自社サイトのページ)をブラウザのアドレス欄に貼り、末尾に &gad_source=1 と手で足して Enter を押す。着地したあと、アドレス欄に gad_source=1 がまだ残っているかを目で見る。それだけです。目安5分。無料。GA4にログインできなくても、ブラウザさえあればできます。——これは私の思いつきではなく、Google広告のヘルプに確認手順として載っている方法です(手順と原文は下に載せました)。

③対象をもう一度:Google広告を出していて、かつ自社サイトに「wwwの有り/無しを統一する」「http から https へ切り替える」「URLの末尾のスラッシュを揃える」といった転送の設定が入っている会社。ほとんどのサイトには、何かしら入っています。逆に、Google広告を出していない方にはまったく関係がありません。ここから先は読まなくて大丈夫です。

同じ1回のクリックが、目印が残った場合と消えた場合で、どう違って見えるかを並べます。

  目印が残っている場合 目印が途中で消えた場合
実際に起きたこと 広告がクリックされ、人が来た まったく同じ。広告がクリックされ、人が来た
GA4での記録 広告からの訪問として記録される 「(not set)」または「オーガニック」として記録されることがある
社長から見える景色 広告が効いている 広告はイマイチ。そのぶんオーガニックが好調に見える
起こす判断 続ける/広げる 止める/減らす
その後 問い合わせが減る。理由は分からないまま残る

数字が「見えない」よりも、「正常に見える」ほうが厄介です。見えなければ人は調べます。正常に見えれば、誰も調べません。


「パラメータ」と「リダイレクト」——この2語だけ、先に噛み砕きます

この話には、どうしても専門語が2つ出てきます。ここだけ我慢して読んでいただければ、あとは全部つながります。

  • パラメータ=URLの後ろにくっついている、「どこから来たか」を伝える目印の文字列のこと。example.com/service?gad_source=1 の、「?」より後ろの部分です。ページの内容そのものには関係がなく、記録のためだけに付いています。
  • リダイレクトあるURLを開いたとき、別のURLへ自動的に飛ばす仕組みのこと。「転送」と言い換えても構いません。たとえば http://www.example.com を開いた人を https://example.com へ自動で送る、といった設定です。

この2つが噛み合わないと、何が起きるか。リダイレクトの設定の書き方によっては、飛ばした先のURLに「?」より後ろが引き継がれず、まるごと落ちてしまうことがあります。ページはちゃんと表示されます。お客様も何も気づきません。落ちたのは、記録のための目印だけです。

Googleも、この点をはっきり書いています。

ウェブサイトにリダイレクトが含まれている場合は、リダイレクトでも URL パラメータ gad_* を維持することが重要です。Google 広告タグと Google アナリティクス タグは、タグが読み込まれるページの最上位パラメータとして gad_* パラメータを想定して動作します。

出典:Google 広告ヘルプ「URL パラメータ gad_* について」

アトリビューションと測定の精度を最大限に高めるには、ランディング ページ URL から集計 ID を削除したりブロックしたりしないでください。

出典:アナリティクス ヘルプ「集計 ID について」

「集計ID」とは何か

いま出てきた集計IDというのが、この記事でいう「目印の文字列」の正式名称です。中身は主に2種類あります。

  • GBRAID——&gbraid=xyz のような形でURLに付く文字列
  • gad_ で始まるもの——&gad_source=1&gad_campaignid=… のような形で付く文字列

「集計」と付いているのは、1人ひとりの個人を特定するためのものではなく、「どのキャンペーン(広告のひとまとまり。たとえば「夏の求人広告」といった単位)から来たか」をまとまりとして数えるための目印だからです。Googleのヘルプでも「プライバシーに配慮した識別子」と説明されています。

そして、これらが消えると何が起きるか。GA4のヘルプに、そのままの答えが書いてあります。

パラメータ削除の診断では、クリック URL に追加された集計 ID パラメータ(GBRAID パラメータと gad_ パラメータ)が削除されているケースが特定されます。

これらのパラメータが削除されると、アトリビューション データが不正確になります。誤って紐付けられたデータには、レポートに「(not set)」または「オーガニック」と表示されます。

出典:アナリティクス ヘルプ「パラメータ削除の診断のトラブルシューティング」

アトリビューションという語が出てきましたが、これは「この訪問(や問い合わせ)は、どの広告のおかげか」を紐づけることだと思ってください。その紐づけが外れると、行き先が「(not set)」か「オーガニック」になる——公式にそう書かれている、ということです。


これは、誰のミスでもありません

ここが、この記事でいちばん大事な立て付けです。

もし御社のサイトで目印が落ちていたとしても、それは誰かの仕事の質の問題ではありません。サイトを作った方も、サーバーを預かる方も、広告を見てくださっている方も、それぞれの時点で正しい仕事をしています。

理由は単純で、順番が逆だからです。

  • リダイレクトの設定は、サイトを正しく動かすために必要があって入れられたものです。「www有り/無しでページが2つあると検索エンジンが混乱する」「常時SSL化(サイトの通信を暗号化して、ブラウザに『保護されていない通信』と出ないようにすること)が当たり前になった」——どれも、当時として正しい仕事です。むしろ、入れていなかったら不備を指摘される類のものです。
  • 一方、いま問題になっている目印のほうは、ずっと後から出てきました。どれくらい新しいかというと、Googleのヘルプに現在もこう書かれているくらいです。

注: &gad_source の旧称は、&gad です。gad_source パラメータは、今後数か月以内にリリースされます。そのため、URL に gad_source パラメータがまだ表示されていない場合があります。

出典:アナリティクス ヘルプ「集計 ID について」(2026年8月20日 取得時点の記載)

※同じページには「Google 広告からの URL にはすべて、最終ページ URL に『&gad_source』が含まれます」という記載もあります。Googleのヘルプ自体が、展開の途中であることを示す書き方をしている、ということです。

いずれにせよ、この gad_source という目印がここ数年のものであることは変わりません。多くのサイトの転送設定が作られた当時、少なくともこの目印は、まだ世の中にありませんでした。存在しないものを引き継ぐ設定を書けるはずがありません。ルールのほうが、後から追いついてきた。それだけの話です。

だから、これから確認して仮に「消えていた」となっても、誰かを責める場面はどこにもありません。ここは、はっきりお伝えしておきます。


今日やる1手:ブラウザだけでできる確認(GA4のログイン権限は要りません)

先に、この確認の位置づけを申し上げます。GA4にログインできない方でも、これだけは今日できます。だから最初に置きました。

手順は、Google広告のヘルプに載っている確認方法をなぞるものです。

  1. 広告のリンク先URLを用意する。Google広告の管理画面から取るなら、ヘルプの案内では〔キャンペーン〕アイコン →「セクション」メニューの〔分析情報とレポート〕→〔ランディング ページ〕という順路です(ランディングページ=広告をクリックした人が最初に着くページのこと)。管理画面に入れない方は、ご自分の広告をスマホやパソコンで検索して見つけ、そのリンク先ページのURLでも構いません。ただし、このとき、ご自分の広告はクリックしないでください。クリックすると、その分の広告費が実際に発生します。広告のリンクを右クリック(スマホなら長押し)して「リンクのアドレスをコピー」を選べば、クリックせずにURLだけ取れます。それも難しければ、広告で送りたい自社ページのURL(サービス紹介ページなど)で試してください。
  2. そのURLをブラウザのアドレス欄に貼る。
  3. 末尾に目印を手で足す。そのURLに「?」がまだ無ければ ?gad_source=1 を、すでに「?」があれば &gad_source=1 を足します。
    例:example.com/serviceexample.com/service?gad_source=1
    例:example.com/service?page=123example.com/service?page=123&gad_source=1
  4. Enterを押して、そのページへ移動する。
  5. 着地した後の、アドレス欄だけを見る。

ヘルプの原文は、こうです。

Enter キーを押してランディング ページへ移動してから、URL 欄で末尾に「gad_source=1」が残っているかどうか確認します。なお、gad パラメータは大文字と小文字が区別され、サイトのすべてのページで統一されている必要があります。

出典:Google 広告ヘルプ「URL パラメータ gad_* について」

見え方は3通り。判定はこれだけです

アドレス欄の見え方 どう読むか
gad_source=1 が残っていて、ページも正常に表示された この確認の範囲では、問題は見つかりませんでした。ひとまず疑う対象がひとつ減ります。これは収穫です
ページは表示されたが、gad_source=1 が消えている 転送の途中で目印が落ちている可能性があります。下の依頼文の出番です
エラーページが出た/表示が崩れた 目印付きのURLがそもそも受け付けられていない可能性があります。これも下の依頼文の出番です

3番目については、Googleが次のように説明しています。

一部のウェブサイトでは任意の URL パラメータが許可されないため、そのようなパラメータが含まれているとエラーページが返される場合があります。

出典:Google 広告ヘルプ「URL パラメータ gad_* について」

この確認で分かること/分からないこと(ここは正確に)

ここは誤解されると危ないので、はっきり線を引きます。

  • 分かるのは、「自社サイトの転送設定が、URLに付けた文字列を落としていないか」までです。それ以上でも、それ以下でもありません。
  • これは擬似的に手で付けたパラメータでのテストです。実際にお客様がGoogle広告をクリックしたときの動きと、完全に一致するとは限りません。実際のクリックはGoogle側の処理を経てから自社サイトに届きますし、URLの形も広告の設定によって変わります。この確認は「白か黒かの最終判定」ではなく、「調べる価値があるかを5分で見極める入口」だとお考えください。
  • なお、3番目のエラーページについては、Googleは「一部のウェブサイト」の話として書いています。一方で、転送設定で目印が落ちる現象がどれくらいの割合で起きるかは、公式には示されていません。私にも分かりません。それでも確認する価値があるのは、起きたときの読み違えが大きいからです。広告を止めるかどうかは、月々の予算がまるごと動く判断です。

もう一つの確認:GA4の「診断」を見る(ここからはログインが要ります)

2026年7月30日、GoogleはGA4に、この問題を知らせる新しい仕組みを追加したと発表しました。「新機能」のページにこう載っています。

URL パラメータが欠落しているためにキャンペーンのデータの精度に問題がある場合に、ユーザーに警告する新しい診断をリリースしました。URL に集計 ID(GBRAID と gad_)が含まれていないプロパティには、問題のある URL と問題の解決方法を含む新しい診断が表示されます。

出典:アナリティクス ヘルプ「Google アナリティクスの新機能」2026年7月30日の項

引用にある「プロパティ」とは、GA4で1つのサイトの数字をまとめている単位のことです。

これが効くのは、「問題のあるURLが分かる」点です。ヘルプには「問題のあるページパスは、診断アラートで [URL を表示] をクリックすると確認できます」と書かれています(ページパス=URLのうち、ドメイン名より後ろの部分)。ブラウザでの確認は「1ページずつ」ですが、こちらは該当するページのほうから教えてもらえる、ということです。

まず、ご自身がログインできるかを確かめてください

ここが、多くの経営者の方が止まる場所です。GA4は、制作会社や広告運用の担当者だけがアクセス権を持っていて、社長ご自身は入ったことがない——という形が珍しくありません。

権限については、GA4のヘルプが明確です。

注: プロパティのすべてのユーザー(管理者、編集者、マーケティング担当者、アナリスト、閲覧者)が診断を表示できます。ただし、診断アラートで提案される問題解決の手順を実施できるのは、編集者以上のアクセス権を持つユーザーのみです。

出典:アナリティクス ヘルプ「パラメータ削除の診断のトラブルシューティング」

ここは朗報です。「見るだけ」なら、いちばん弱い権限(閲覧者)でも足ります。社長が直せる必要はありません。知っていればいいのです。ちなみに文中のプロパティとは、GA4で1つのサイトの数字をまとめている単位のことです。

ログインできない方は、いま数字を見てくださっている方へ、これだけ送ってください。

お世話になっております。〇〇(会社名)の△△です。

弊社サイトのGoogleアナリティクス(GA4)について、私(=代表)のGoogleアカウントに「閲覧者」の権限を追加していただけますでしょうか。アカウントは〔ご自身のGoogleアカウントのメールアドレス〕です。

設定を変更したいわけではなく、数字を自分の目でも見られるようにしておきたい、というのが理由です。編集の権限までは不要です。

お手間をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

「閲覧者でいい」と明記するのが、この依頼文のポイントです。相手にとっていちばん軽い依頼になり、断る理由がなくなります。

診断はどこに出るのか

GA4のヘルプによると、診断はプロパティ全体に出るバナー(Googleの説明では、深刻度が大きいと判断された問題のときに出ます)か、各レポートの「データ品質インジケーター」(そのレポートの数字の状態を知らせる印)という場所に表示されます。データ品質インジケーターの位置は、日本語ヘルプにこう書かれています。

データ品質インジケーターは、詳細レポートのタイトルの横に表示されています。

また、概要レポートの概要カードの右上にも表示されています。

出典:アナリティクス ヘルプ「[GA4] データ品質」

今回の件で表示されうるお知らせの名称は、日本語ヘルプでは「URL パラメータが欠落しているため、キャンペーンのデータの正確性に影響が出ています」と書かれています。

ただし、ここは慎重にお伝えします。私が確認した日本語ヘルプのページには、ページ下部に「このページには、AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります。AI 翻訳には誤りが含まれている可能性があります。」という注意書きが、Google自身によって添えられていました。つまり、実際の管理画面に出る日本語が、この文言と一字一句同じである保証はありません。文言をそのまま探すのではなく、「URL パラメータ」「キャンペーン」といった言葉が入ったお知らせが出ていないかという探し方をしてください。

「診断が出ていない=問題なし」ではありません

ここが、この記事でいちばん誤解されやすいところです。限定を2つ、正確に書きます。

  • 診断は、該当するプロパティにだけ表示されるものです。全員の画面に出るものではありません。ヘルプの表現も「次のような診断アラートが表示されることがあります」です。
  • 表示の条件そのものにも前提があります。ヘルプには「この診断は、GCLID を含む URL に GBRAID パラメータまたは gad_ パラメータが欠落している場合に表示されます」と書かれています。GCLIDというのは、広告のクリック1回ごとに割り振られる別の目印です。ここから私が申し上げられるのは、「診断が出ていないことは、問題が無いことの証明にはならない」という点までです。それ以上の推測は、私は書きません。

だからこそ、ブラウザでの5分の確認を先に置きました。診断は「出ていれば、該当URLまで教えてくれる強力な味方」。出ていないときは、自分の目で見るほうが早い。この順番です。


見つかったときの、いちばん速い頼み方

連絡する相手は、いまお付き合いのあるホームページの制作会社・サーバー会社・サイトを管理してくださっている方です。転送設定はサイトの根っこに手を入れる作業なので、いま管理している方に頼むのが近道です。私はこの設定作業を代行しません。それが、御社にとって余計なお金と時間をかけない道だからです。

1往復で終わるように、そのまま送れる文にしました。〔 〕の中だけ、ご自身の状況に合わせてください。

お世話になっております。〇〇(会社名)の△△です。

弊社サイトのリダイレクト(転送)設定について、1点ご確認をお願いできますでしょうか。

【確認した状況】
Google広告のリンク先ページのURL〔https://example.co.jp/service〕の末尾に、テストで ?gad_source=1 を付けてブラウザで開いたところ、〔着地後のアドレス欄から gad_source=1 が消えていました/エラーページが表示されました〕。

【お伺いしたい点】
1. www有無の統一・https化・URL末尾のスラッシュの統一など、リダイレクトの設定で、URLの「?」以降のパラメータが引き継がれない形になっていないでしょうか。
2. 引き継がれていない場合、パラメータを維持したまま転送する形に変更することは可能でしょうか。費用が発生する場合は、金額もあわせてお知らせください。
3. あわせて、gad_ で始まるパラメータや gbraid が付いたURLが、エラーにならずに表示できるかもご確認いただけますでしょうか。

【背景】
Googleは、リダイレクトがある場合に gad_* パラメータを維持することが重要である旨を、公式ヘルプに記載しています。この目印が消えると、広告からの訪問がGoogleアナリティクスで正しく記録されず、広告の成果を過小に見積もってしまうためです。
https://support.google.com/google-ads/answer/16193746?hl=ja

この依頼をするときに、絶対にしなくていいこと

「なぜ今まで対応してくれなかったのか」という言い方をする必要は、まったくありません。

繰り返します。これは誰のミスでもありません。転送設定は、サイトを正しく動かすために必要があって入れられたものです。そこへ後から新しい目印が登場し、たまたま相性が悪かった。それだけです。

そして——いま御社には、サイトを見てくれる相手がいます。これは資産です。新しくどこかを探す必要はありません。「Googleのルールが変わったようなので、一度見ていただけますか」——それだけで十分に通じます。


ここは、正直に線を引かせてください

この記事を読んで直したとしても、広告の効果そのものが上がるわけではありません。

直るのは「数字の見え方」であって、「広告の効き」ではありません。クリックの数も、来訪した人数も、その人たちが問い合わせるかどうかも、目印が消えていた期間と、まったく同じです。変わるのは、それが正しく記録に残るかどうかだけです。

「では、意味がないのでは」と思われるかもしれません。逆です。変わるのは”判断”です。

  • 効いている広告を、「効いていない」と誤読して止めなくなる
  • 本当に効いていない広告を、ためらいなく止められるようになる
  • 「オーガニックが好調だ」という実体のない好感触に、予算配分を引っぱられなくなる

私は独立する前、製造業の現場で生産管理をしていました。あの世界では、不良率のグラフが悪化したとき、真っ先に「工程が悪いのか、それとも測っている計器のほうがズレているのか」を切り分けます。計器がズレたまま改善会議を何時間やっても、出てくる対策は全部ハズレだからです。順番を間違えると、時間もお金も、まるごと捨てることになります。

ところが不思議なもので、広告やホームページの数字については、この「計器のほうを先に疑う」手順を踏む会社が、ぐっと少なくなります。画面に数字が出ていると、それは正しいものとして扱われてしまうからです。私が中小企業のご支援で最初に見るのは、たいてい”施策”ではなく”計器”のほうです。

愛知・岐阜・三重で、たとえば「〇〇加工 △△市」「リフォーム 名古屋」のように地域名を含む検索に絞って広告を出している会社。もともとの検索数がそれほど多くないぶん、月に数件の問い合わせが事業を支えている、という形は珍しくありません。こうした規模では、1回の「止める」判断の重みが大きくなります。だから、計器を先に確かめる価値があると私は考えています。

なお、広告費そのものの無駄を減らす話は、無駄クリックで広告費を溶かさない|検索語句と除外キーワードの使い方 に別途まとめています。本記事が「数えるほうの点検」なら、そちらは「使うほうの点検」です。

また、広告からの訪問が正しく記録されるようになった後で見るべきなのは、「来た人が、サイトのどこで静かに帰っているか」です。その見つけ方は ホームページから問い合わせが来ない|GA4で客が逃げる場所を見つける に書きました。


まとめ

  • 対象はGoogle広告を出している会社だけです。出していない方には関係がありません。
  • 広告のリンクには目印の文字列(集計ID=GBRAID・gad_ で始まるもの)が自動で付く。これが転送設定で途中から消えると、GA4に「(not set)」または「オーガニック」として記録される——Google公式ヘルプの記載です。
  • 数字は壊れず、正常に見える。だから誰も疑わず、効いている広告を止めてしまう。止めた後、問い合わせが減った理由は分からなくなる。
  • 今日やる1手(GA4の権限が無くてもできる):広告のリンク先URLに ?gad_source=1(すでに「?」があるなら &gad_source=1)を手で足してブラウザで開き、着地後のアドレス欄に残っているかを見る。目安5分・無料。
  • ただしこれは擬似的なテストです。分かるのは「転送設定がURLの文字列を落としていないか」まで。実際の広告クリック時の挙動と完全に一致するとは限りません。
  • GA4に入れる方は「診断」も見る。ただし診断は該当するプロパティにだけ出るもので、「出ていない=問題なし」ではありません。見るだけなら「閲覧者」権限で足ります。
  • これは誰のミスでもありません。転送設定は必要があって入れられたもので、目印のほうが後から出てきた。依頼するときに、責める場面はひとつもありません。
  • 直るのは「数字の見え方」であって「広告の効果」ではありません。変わるのは、止めるか続けるかの判断の精度です。

名古屋を拠点に、愛知・岐阜・三重の中小零細企業を対象に仕事をしていて強く思うのは、「投資が足りない」より「見えていない」ほうが、はるかに多いということです。この記事に書いたことは、すべて無料の手段で、社長ご自身の手で確認できます。まずはご自身の目で見ていただくのが、いちばん速いと本気で思っています。

ここから先は、私の役割の線引きです。私が「これを直せば広告の成果が上がります」と申し上げることはできません。直るのは記録の正確さであって、広告そのものの効き目ではないからです。また、転送設定の変更作業そのものは代行しません。仕様も設定の履歴も、その方の手元に揃っているからです。私がお引き受けできるのは、こうした点検の結果も含めて、問い合わせが増えない原因が本当はどこにあるのかを数字で見極め、何に・どう投資するかを整理し、実行まで伴走する、その部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。

そのうえで、まずは状況をお聞かせいただきたいという方は、無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。初回面談はオンラインで90分程度。こちらから契約を急かしたり、その場で契約をお願いしたりすることはしません。新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。


出典(すべて2026年8月20日に取得)

※本記事に記載したGoogleアナリティクス・Google広告の仕様、および画面・項目・診断の名称は、2026年8月20日時点で各公式ヘルプに掲載されている内容です。仕様も画面も変更されることがあります。最新の内容は、上記の公式ページでご確認ください。
※引用は各公式ヘルプの記載のままです(筆者による強調・改変は加えていません)。日本語版の各ページには、Google自身により「AI 技術を使用して翻訳されたコンテンツが含まれている場合があります」という注意書きが添えられています。実際の管理画面の表示と文言が一致しない可能性がある点にご注意ください。
※ブラウザでの確認手順は、Google広告ヘルプに記載された方法をなぞったものです。手で付けた擬似的なパラメータによるテストであり、実際に広告がクリックされたときの挙動と完全に一致するとは限りません。この手順で確認できるのは「サイトの転送設定がURLの文字列を落としていないか」までです。
※記事内の見立て・判断の順序・依頼文は、公式の記載ではなく、私自身の実務上の考え方です。

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