条件で絞ってから一覧を見る求職者がいます。絞った瞬間に自社の求人が消えていれば、その人にとっては掲載していないのと同じ。ハローワーク求人情報検索の「条件を選ぶ」33個で、自社が残る条件と消える条件を確かめる手順です。ログイン不要・無料。
ハローワークに求人を出している社長へ。求人票は出しました。掲載も始まりました。それでも、求職者の画面に自社が出ていないことがあります。求人が消えたのではありません。求職者が条件を絞った瞬間に、絞り込みの外へ落ちているのです。
①結論:求職者には、一覧をそのまま眺めるのではなく、条件で絞ってから残ったものだけを読む人がいます。全員がそうだとは言いません。それでも、絞り込みを使う人がいる以上、絞った瞬間に自社の求人が消えていれば、その人にとっては掲載していないのと同じです。ハローワークインターネットサービス(ハローワークの求人をインターネット上で公開・検索できる公式サイト)の求人情報検索には「条件を選ぶ」というブロックがあり、チェックボックス(押すと印が入る四角い枠)が33個並んでいます。求職者がそのうち1つを押すだけで、一覧に残る求人は絞り込まれます。
②今日やる1手:ハローワークインターネットサービスの求人情報検索を開き、求職者と同じように条件を絞って、自社の求人を自分で追いかけます。ログインもアカウントも要らず、無料です。動きは4つ。[土台をつくる]求人区分を選び、就業場所を指定し、「フリーワード検索」という欄に自社名か職種を入れて検索し、まず自社が出ることを確認する(「求人番号」の欄は使いません。番号で検索すると、条件のチェックが効かなくなります)。[1つ押す]次に「条件を選ぶ」のチェックを1つだけ付けて、もう一度検索する。[判定する]自社が残ったか、消えたか。[戻して次へ]そのチェックを外し、別の1つを付けて繰り返す。1つずつやると、自社がどの条件で残り、どの条件で消えるかの一覧が手元にできます。
★ここだけは踏み外さないでください。この作業で直してよいのは、実際に該当しているのに、求人票に書いていない欄だけです。駐車場があってマイカー通勤を認めているのに求人票に書いていない、というような欄です。該当していない条件にチェックが付くように書き替えて、見つかりやすくすることは、絶対にしないでください。職業安定法第5条の4第1項は、「労働者の募集を行う者」を名宛人に含めています。そのうえで、新聞・雑誌などの刊行物に載せる広告、文書の掲出や頒布、その他厚生労働省令で定める方法(条文はこれらをまとめて「広告等」と呼びます)により求人や募集に関する情報を提供するときは、その情報について「虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない」と定めています(かぎかっこの中は条文のままの引用です)。実態のない労働条件の表示は、これに当たり得ます。ただし、個別の事案が法律に触れるかどうかを判断するのは専門家の領域ですので、私は断定しません。断定しなくても、実害のほうは法律の判断を待たずに現場へ来ます。実態と違う条件で人が来れば、入社後に「聞いていた話と違う」で辞められます。そのとき、募集にかけた手間も費用も、丸ごと無駄になります。消えたままにしておくのが正しい欄も、あります。
③この記事の対象:いま有効なハローワーク求人がある会社です。業種も規模も問いません。逆に、いま募集を止めている会社は対象外です。公開中の求人が無ければ、どう絞っても自社は出てきません(「消えた」のではなく「そもそも無い」)。その場合はこのページを保存しておいて、次に求人票を出す日に開いてください。この作業は、求人票を書いたあとより、書く前にやるほうが効きます。
④絞っても消えなかった方へ:手ぶらでは帰しません。「消えなかった」も情報です。どの条件で残り、どの条件で消えるか。その一覧そのものが、次に求人票を書くときの材料になります。残った条件は「求職者に見つけてもらえている入口」、消えた条件は「実態はあるのに書けていない」か「そもそも実態が無い」かの二択に整理できます。紙かスマートフォンのメモに、消えた条件だけを書き出してください。今日の分はそれで終わりです。
求人を出すというのは、棚に商品を置く行為です。ところが求職者は、棚全体を端から端まで見るわけではありません。通勤できる場所か。土日は休めるか。マイカーで行けるか。資格が要るのか。先に自分の条件で絞り込み、残ったものだけを読みます。
ここに、求人票を何度書き直しても気づけない落とし穴があります。絞り込みの外に落ちていれば、紙面がどれだけ良くても読まれません。賃金の書き方や仕事内容の表現を磨く話は、その前段——「一覧に残る」が済んでから効いてくる話です。紙面を何度も直してこられた会社は、そこに注いだ時間が無駄だったのではありません。順番の前半——「一覧に残る」——が、手つかずだっただけです。書き直してきた紙面は、そのまま次の一手の土台になります。
同じハローワークインターネットサービスについて、私は「ハローワークの写真10枠は求人票に出ません」という記事を先に書きました。あちらは「求人票に出ない情報の置き場所」の話でした。今回はその続きで、同じサイトの、求職者が実際に触る側の画面の話です。両方とも、ログインせずに今日確認できます。★ただし1つ、前回と今回で変わるところがあります。前回は「求人番号」で自社の求人を呼び出しました。今回は、その欄を使いません。番号で検索すると、条件のチェックが効かなくなるからです(画面にその注記があります。後半で引用します)。
求人情報検索の画面には、この「条件を選ぶ」ブロックについて、次の説明が付いています。
検索条件によく利用されている労働条件等を選択して検索することができます。
出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報検索・一覧」(2026年9月11日に取得)。「よく利用されている」——ここが重要です。この33個は、よく利用されている絞り込み条件だと公式に説明されている項目です。つまり、飾りで置かれているリストではありません。並んでいるのは次のとおりです。
項目名は画面の表記どおりに写しました。項目名の意味は、画面上の各項目をご確認ください。意味が分からない項目は、今日は飛ばしてかまいません。自社に関係のある項目だけを試せば足ります。
数え方を明記しておきます。チェックボックスは全部で33個で、そのうち4つ(「雇用形態」が2つ、「雇用期間」、「就業時間」)は、その下の子項目をまとめて切り替える親のチェックです。ご自身の画面で数えたときに合わないと落ち着かないと思うので、先に書きました。
なお、「在宅勤務」「正社員登用あり」「受動喫煙対策あり」といった条件を見た記憶がある方がいるかもしれません。それらは、この初期画面には並んでいません(2026年9月11日時点)。そのうえで、画面には次の案内も出ています。
かんたん検索で条件を絞ることができない場合は、「もっと詳しい条件を入力する」をご利用ください。
出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報検索・一覧」の初期画面(2026年9月11日に取得)。引用にある「かんたん検索」は、ここまで見てきた画面のことです(画面にその見出しがあります)。ただし、この案内の先に何が並んでいるかは、この記事では扱いません。今日の作業は初期画面だけで足ります。初期画面に無い条件は、今日は考えないでください。
ここがこの記事の芯です。33個を全部直そうとしないでください。そもそも直せない条件が混ざっているからです。仕分けの基準は3つしかありません。
| 仕分け | 中身 | 今日の判断 |
|---|---|---|
| 直せる | 実態はあるのに、求人票に書いていない。例=敷地に駐車場があり車通勤を認めているのに「マイカー通勤可」の欄が空。通勤手当を実際に払っているのに書いていない。 | 書ける。ハローワークに求人内容の変更を相談する候補としてメモに残す。 |
| 直さない | 実態が無い。例=実際には資格が要るのに「資格不問」、実際には時間外がある月があるのに「時間外労働なし」。 | 書かない。手を付ければ、実態と違う表示になる。実態そのものを変えるかどうかは、採用ではなく経営の判断。 |
| 動かせない | 立地や事業構造で決まっている。例=工業団地に工場があり「駅近(徒歩 10分以内)」が物理的に成立しない。現場が変わる仕事で「転勤なし」が成立しない。 | そこで勝負しない。その条件で絞る求職者は、そもそも自社の客層ではないと割り切る。 |
この3つ目が、いちばん言いにくくて、いちばん効きます。取れない条件を取りにいくのは、無駄なお金と時間の使い方です。駅から遠いことを求人票の文章でごまかそうとするより、「駅から遠い代わりに、駐車場は無料で全員分ある」を正確に書くほうが、実態にも合っているし、入社後に食い違いません。
大事な線引きなので、はっきり書きます。求人票のどの記入欄が、検索のどの条件に結び付いているのか——その対応関係を示した公式の表は、ハローワークインターネットサービスの公開情報の中には見当たりません。ですから「この欄を直せば、この条件で出てくるようになります」と書けば、それは根拠のない断定になります。書きません。
書けるのは、読者ご自身の実験結果だけです。「この条件で絞ったら、うちは消えた」「この条件では残った」。これは推測ではなく、ご自身の画面で起きた事実です。そして求人内容を実際に変更したあとで同じ手順をもう一度やれば、「変えたら出てくるようになった/ならなかった」も、同じく事実として分かります。対応表が無いからこそ、自分の目で確かめる価値があります。
求人内容の変更そのものは、求人を出したハローワークの窓口に相談するのが確実です。労働条件の書き方が法令に照らして適切かどうかの個別の判断は、社会保険労務士など、その分野の専門家にご確認ください。私は社会保険労務士ではありませんので、「この書き方なら問題ありません」とは申し上げません。
私は独立する前の15年間、製造・生産管理・営業の現場で働いてきました。そのうえで、東海(愛知・岐阜・三重)の中小企業でよく起きる形を書きます。
冒頭に書いた4つの動きを、画面の操作に割って書きます。[土台をつくる]が手順1〜4、[1つ押す]と[判定する]が手順5、[戻して次へ]が手順6です。パソコンでもスマートフォンでもできます。
チェックの条件とは別のしくみで消えることもあります。キーワードを打ち込んで探す「フリーワード検索」という欄です。同じサイトの説明ページには、対象になる項目がはっきり書かれています。
フリーワードの対象となる項目は、職種、事業所名、仕事内容、最寄り駅等、就業場所、事業内容、必要な免許・資格、必要な経験等、その他(特記事項欄など)となっています。
出典:ハローワークインターネットサービス「求人情報検索のしかた(簡単な検索方法)」(2026年9月11日に取得)。同じページには、こうも書かれています。
キーワードが長すぎると検索にヒットしないことがあります。単語は短く、最小限にとどめて検索するのがコツです。
ここは、チェックの条件と違ってどの項目が対象かが公式に示されています。だからこう言えます——求職者が「溶接」と打ち込んだとき、自社の求人が仕事内容の欄に「金属加工作業」としか書いていなければ、その求職者には届きません。逆に、実際に溶接をしている会社が仕事内容の欄に「溶接」と書くのは、事実を書いているだけです。実態に無い言葉を並べるのとは、まったく別のことです。
自社の職人が普段使っている呼び方と、求職者が検索窓に打ち込む言葉は、ずれます。求人票の言葉を、社内の言い方から求職者の言い方へ翻訳する——これは紙面の話ではなく、見つけてもらう入口の設計の話です。
ここまでの作業は、社長ご自身で全部できます。費用は1円もかかりません。私に頼む理由はありませんし、頼むべきでもありません。まずご自身の目で、自社がどう見えているかを確かめてください。当社は、お客様に無駄なお金を使わせないことを判断の軸に置いています。
そのうえで、私がお引き受けできるのは、求人票の外側——自社サイトの採用ページや、会社を知ってもらうための動画・写真の設計です。求職者が求人票で会社名を見たあと、社名で検索して自社サイトに来たときに、何が見えているか。そこの導線を、経営のボトルネック(詰まっている一番の課題)から逆算して組み立てる部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。
できないことも書いておきます。私は採用そのものを代行しません。応募者を集めることを請け負う立場でもありません。また、応募が増えることをお約束することもできません。採用は、求人票・待遇・現場・タイミングが絡み合った結果として動くものだからです。
無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお知らせください。初回面談(90分程度)で伺うのは、現状とお困りごとです。そのうえで、新たな投資が要らないと判断すれば、その旨をお伝えします。実際に手を動かす部分(=この記事でいう求人票の外側。自社サイトや動画・写真の設計です)をご依頼いただく場合は、有償のご支援としてお引き受けします。
初回面談はオンラインで90分程度。こちらから契約を急かしたり、その場で契約をお願いしたりすることはしません。新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。
※本文中の引用は、上記の各ページ・条文からその言葉のまま引いています。項目名の全角文字や文字間の空きも、画面の表記どおりです。
※職業安定法第5条の4は、名宛人に「労働者の募集を行う者」を含めています。第1項・第2項はいずれも「広告等」(新聞・雑誌などの刊行物に載せる広告、文書の掲出や頒布、その他厚生労働省令で定める方法)により求人や募集に関する情報を提供するときについての定めで、第1項が「虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない」、第2項が「正確かつ最新の内容に保たなければならない」と定めています。
※次の5点は、2026年9月11日時点の画面の状態です。①ログインなしで求人情報検索を使える ②「条件を選ぶ」ブロックのチェックボックスは33個で、うち4つは「雇用形態」(2つ)「雇用期間」「就業時間」の親のチェックである ③「求人区分」は必須で、「一般求人」「障害のある方のための求人」「新卒・既卒求人」「季節求人」「出稼ぎ求人」が並ぶ ④「※求人番号を入力して検索する場合、他の検索条件は無効になります。」という注記がある ⑤「在宅勤務」「正社員登用あり」「受動喫煙対策あり」は初期画面には並んでいない。この5点はいずれも、画面の表示が今後変わる可能性があります。
※「直せる/直さない/動かせない」の3つの仕分け、東海の製造・建設への当てはめ、社内の言い方を求職者の言い方へ翻訳するという考え方——これらはいずれも私の見方であり、公式ページに書かれている内容ではありません。
※求人票のどの記入欄が検索のどの条件に結び付くのかについて、対応関係を示した公式の表は、公開情報の中には見当たりませんでした。本記事は「この欄を直せばこの条件で出てくる」ことを示すものではありません。
※本記事は、求人内容の見直しによって応募や採用の結果が得られることを保証するものではありません。
※当社は”何に・どう投資するか”の交通整理(マーケティング支援)を担います。労働条件の表示や労働関係法令の個別判断は社会保険労務士・弁護士など該当分野の専門家へ、求人内容の変更やハローワークの運用の最新の取り扱いは、求人を出したハローワークまたは公式サイトでご確認ください。