現場から見た経営とお金の使い方

社長の時間を15分の升目で数える|国の調査の記入のしかたを借りる

この記事の要点

社長が自分の時間を数えようとして止まる「どのくらい細かく書くか」「同じ時間に2つのことをしたら」に、国の調査の記入のしかたから3つだけ借りて答えます。国の調査票とは別の15分の升目で、仕事の時間帯を1日分数えます。円には直しません。

社長が自分の時間の使い道を数えようとすると、2つの問いで手が止まることがあります。「どのくらい細かく書けばよいか」と、「同じ時間に2つのことをしたら、どう書くか」です。

結論です。この2つには、国が5年ごとに行っている統計調査(社会生活基本調査)の記入のしかたが、答えを持っています。国の統計調査は、多くの人に決まった問いで答えてもらい、世の中の様子を数字にする調べものです。借りるのは、次の3つだけです。

  • 15分単位で書く。
  • 15分の中で、いくつかのことを順にしたら、いちばん長かったものを書く。
  • いくつかのことを同時にしていたら、おもにしていたものを書く。

これだけを借りて、社長ご自身の1日を、紙1枚の升目(15分ずつに区切ったます目)で数えます。数えた時間は、円(お金)に直しません。

この記事を今お届けするのは、この調査が今年(2026年)の10月に行われるからです。国の調査では、10月17日から25日までのうち、地域ごとに指定された連続する2日間について、1日の過ごし方を15分単位で書いてもらいます。

なお、この記事の升目は、国の調査票(調査で答えを書き込む用紙や画面)とは別のものです。調査の対象になった方は、配られた書類の案内に従ってください。当社は、調査への答え方は案内しません。

この記事の対象

社長ご自身の時間の話です。自分の時間の使い道を数えたことがない方、数えようとして止まった方が対象です。

社員の方の升目は作りません。「社員にも書かせたい」という使い方は、この記事の対象外です。1日の15分ごとをすべて書いてもらうと、仕事ぶりを見張られているように受け取られかねないためです。

今日やる1手——A4に、仕事の時間帯の升目

  • ① A4の紙に、仕事の時間帯だけ、15分ごとの升を縦に引きます。8時から17時なら36升です。
  • ② 升ごとに、していたことを1語で書きます。たとえば「見積」「電話」「現場」「移動」「昼休み」。
  • ③ 15分の中で順にいくつかのことをしたら、いちばん長かったものを。同時にしていたら、おもにしていたものを書きます。
  • ④ 15分ごとに書かなくて構いません。昼・夕方・仕事の終わりの3回にまとめて書けば足ります。思い出せない升は「思い出せない」と書きます。この升目では、どちらが長かったか分からない升は、感覚でどちらか1語にして構いません。
  • ⑤ 仕事が終わったら、語ごとに升の数を数え、15分をかけて合計を出します。「電話」が6升なら90分です。円には直しません。

冒頭の3つのルールは、国の記入のしかたから借りたものです。一方、「升ごとに1語」「仕事の時間帯だけ」「まとめて書いてよい」「思い出せない、も1語」などは、紙1枚で済ませるための当社の簡略化で、国のやり方そのものではありません。国の調査票は、印刷された行動の種類に線を引く形と、していたことを自由に書く形の2種類です。

ここまで書けたら済んでいます

仕事の時間帯の升が、すべて1語か「思い出せない」で埋まり、語ごとの合計(升の数×15分)が書けたら、今日の1手は済んでいます。「思い出せない」も1つの語として数えます。

合計を見る前に、2つだけ。

  • 短い用事は、升に残らないことがあります。長いほう・おもなほうを書くので、数分の電話・確認・声かけは、同じ15分にもっと長いことや、おもにしていたことがあれば、升に出ません。升の「電話」が0でも、電話をしていないとは限りません。細切れが気になる方は、余白に正の字(「正」の字を1画ずつ書いて数える数え方)を付けてください。これは国のルールではなく、当社の付け足しです。
  • 1日だけの升目で、何かを「やめる」「任せる」とは決めないでください。その日が、たまたまいつもと違ったのかもしれません。国の調査も、1日ではなく連続する2日間について書いてもらいます。

ここで今日の1手は終わりです。

数えた後のことと、国の調査との関係

この記事では、升の合計を円に直しません。数えた時間をもとに、人に任せる・道具を入れる・生成AI(文章などを作るAI)を使う、という話に進めることもしません。数えてみて「今のままでよい」と分かれば、それも大事な答えです。

この升目は、国の調査票とは別のものです。調査の対象になった方は、配られた調査票の記入のしかた(インターネットで答える場合は、操作ガイドと入力画面の案内)に従ってください。当社は、調査への答え方は案内しません。この記事が借りるのは、自分の時間を数えるための書き方の一部だけです。

今年(令和8年=2026年)の調査の結果は、令和9年(2027年)9月頃以降に順次公表する、と総務省統計局は案内しています。今はまだ結果がありません。この升目は、国の数字と比べるためのものではありません。

夕方や週末に読んだ方は、次に仕事をする1日で構いません。数えてみて予想どおりだった方も、紙は捨てずに残しておいてください。次に数えた日と並べるときの基準になります。

なお、これは、社員の方に1週間、文字の仕事だけを作業ごとにメモしてもらい(頼むときに、仕事ぶりを測るためではないと一言添えます)、生成AIを置く場所を決める話(「生成AIの置き場所の決め方|愛知の求人倍率から考える現場の文字仕事」)でも、AIに任せた仕事の時間を2週間記録し、金額に直して効果を確かめる話(「AIの効果、数字で言えますか|今日から2週間、紙に4列書くだけ」)でもありません。社長ご自身の1日を、円に直さずに数えるだけの話です。

国の調査の記入のしかたで、借りる3つ

社会生活基本調査は、国が5年ごとに行っている統計調査で、案内は総務省統計局のサイトに載っています。全国から選ばれた約9万5千世帯の、10歳以上の方(約19万4千人)が対象です。対象になった世帯には、調査員が書類を配り、インターネットか紙の調査票で答えます。

その中に、1日の時間の使い方を書いてもらう項目があります。統計局の「回答方法について」のページでは、国の調査票の一つ(調査票A)の記入のしかたとして、次の2つが並んでいます。

・15分間にいくつかの行動をした場合は、そのうち最も時間が長かったものを記入します。
・15分間にいくつかの行動を同時にしていた場合は、そのうちおもに行っていた行動について記入します。

出典:総務省統計局「令和8年社会生活基本調査」キャンペーンサイト「回答方法について」(2026年10月16日に利用)

1つ目は、15分の中でいくつかのことを順にした場合、2つ目は同時にしていた場合です。同じページの例を私の言葉で言い換えると、買い物の帰りに12分移動し、続けて3分、買った物を片付けた15分は、長いほうの移動を書く、という書き方です。

この記事が借りるのは、この2つと、時間を15分単位で区切ることの3つです。国の調査では、指定された2日間の行動を15分単位で書いてもらいます。

借りないもの

国の調査票は2種類あります。一つは、あらかじめ20種類に分けた行動の種類が印刷された調査票に、線を引いて答える形です。もう一つは、していたことを自由に書いてもらい、集計の段階で分類する形で、おもにしていたことと、同時にしていたことを、別々の欄に書いてもらいます。どちらにも、スマートフォン・パソコンなどを使っていたか、「一緒にいた人」は誰かを書く欄もあります。

この記事では、行動の種類の分け方も、線を引く書き方も、ほかの欄も借りません。升に自分で決めた1語を書くのは、国のどちらの調査票とも違う、当社の簡略化です。国の調査では、2種類の調査票とも、指定された連続する2日間について、15分単位で答えます。この記事の升目は、仕事の時間帯だけ、1日だけです。

升目の作り方(A4の例)

紙は、手元にあるA4の白い紙で構いません。左に時刻、まん中に1語、右に余白を取ります。次の表は、架空の例です。

時刻 1語 余白(正の字など)
8:00〜8:15 メール
8:15〜8:30 見積 電話:正の字を1画
8:30〜8:45 電話
8:45〜9:00 移動
9:00〜9:15 現場
(17:00まで続く)

8:15〜8:30は、見積を12分したあとに、電話を3分した例です。順にしたので、長いほうの「見積」を書き、短い電話は余白に正の字で1画だけ残しています。8:30〜8:45は、電話で話しながら図面をめくっていた例です。同時にしていたので、おもにしていた「電話」を書きます。

  • 語は、ご自分で決めて構いません。ただ、同じことには同じ語を使います(「見積」と「見積書」を混ぜると、あとで別々に数えてしまいます)。
  • この升目では、同時にしていたとき、どちらが「おもに」かは、ご自身の感覚で決めて構いません。社長ご自身が使うための紙です。
  • 昼休みや休憩も、1語で書きます(例:「昼休み」)。これも当社の簡略化で、国の調査票の書き方とは違います。空けておくと、あとで書き忘れと区別がつきません。
  • まとめて書くのは、当社の提案です。昼・夕方・仕事の終わりの3回に、それまでの升を思い出して埋めます。思い出せない升は「思い出せない」。

仕事が終わったら、紙の下か裏に、合計の欄を作ります。これも架空の例です。

語 升の数 合計(升の数×15分)
現場 9 135分
見積 7 105分
電話 6 90分
移動 6 90分
メール 2 30分
昼休み 4 60分
思い出せない 2 30分
計 36 540分(9時間)

升の数の計が、引いた升の数(例では8時から17時までの36升)と同じなら、数え漏れはありません。余白の正の字は、升の合計には足しません(数え方が違うためです)。合計の欄の横に「電話(余白)5回」のように、別に書いておきます。

数えた升目の読み方

  • 円に直しません。この記事は、社長の時間がどこに出ているかを紙で見るところまでです。
  • 1日だけで決めません。気になる語があれば、別の日にもう一度数え、2枚の紙を並べてから考えても遅くはありません。
  • 短い用事は、升に残らないことがあります。升の「電話」が少なくても、電話が少ないとは限りません。余白の正の字(当社の付け足し)と合わせて見ます。
  • 合計が思っていたのと違っても、時間の使い方の良し悪しを決めるものではありません。その日の事実が、紙1枚に出ただけです。
  • 「今のままでよい」も答えです。何かを変えなければいけない、という前提に立つ必要はありません。

私の考え:お金の使い道と、社長の時間の使い道

私は、新しくお金を使う先を決める前に、まず社長ご自身の時間がどこに出ているかを、紙で見ておくことに意味があると考えています。お金の使い道の話は、社長の時間の使い道の話と、切り離せないことが多いと見ているからです。そして、数えた結果「今のままでよい」と分かることも、大事な答えです。

調査の対象になった方へ、不審な調査について

繰り返しになりますが、この記事の升目は、国の調査票とは別のものです。調査の対象になった方は、配られた調査票の記入のしかた(インターネットで答える場合は、操作ガイドと入力画面の案内)に従ってください。当社は、調査への答え方は案内しません。また、この升目は、ご自分で引いて、ご自分の手元に残す紙です。当社が配ったり、集めたりするものではありません。

社会生活基本調査をよそおった不審な訪問者や、不審な電話・電子メール・ウェブサイトなどについては、統計局が「不審な調査にご注意ください」のページで注意を呼びかけています。

今日のまとめ

  • 国が5年ごとに行っている統計調査(社会生活基本調査)の記入のしかたから、3つだけ借ります。15分単位で書く/15分の中で順にいくつかのことをしたら、いちばん長かったもの/同時にしていたら、おもにしていたもの。
  • 今日やることは1つ。A4の紙に仕事の時間帯だけ15分の升を引き、升ごとに1語。終わったら語ごとに升を数え、×15分で合計。円には直しません。
  • 「升ごとに1語」「仕事の時間帯だけ」「まとめて書いてよい」「思い出せない、も1語」「余白の正の字」などは、当社の簡略化・付け足しです。国のやり方そのものではありません。
  • 短い用事は升に残らないことがあります。1日だけの升目で「やめる」「任せる」を決めません。「今のままでよい」も答えです。
  • この升目は国の調査票とは別のものです。調査の対象になった方は、配られた調査票の記入のしかた(インターネットなら操作ガイドと入力画面の案内)に従ってください。
  • 令和8年の調査の結果は、令和9年9月頃以降に順次公表、と統計局は案内しています。国の数字と比べるための升目ではありません。

ご相談について

ここまでは、紙と鉛筆があれば、社長おひとりでできることです。

当社は、国の調査への答え方は案内しません。升目を当社が付けたり、升目の紙を集めたりもしません。

私が有償のご支援としてお引き受けするのは、会社のお金を何にいくら使うかの順番を決め、実際に手を動かす部分です。ここは有償のご支援になります。無料でお受けしているのは、次にご案内する初回面談(90分程度)までです。

升目を付けてみて、気になっている点がある方は、無料相談はこちらのお問い合わせフォームからお知らせください。初回面談(90分程度)で伺うのは、現状とお困りごとです。そのうえで、新たな投資が不要と判断すれば、その旨を誠実にお伝えします。実際に手を動かす部分をご依頼いただく場合は、有償のご支援としてお引き受けします。

※本記事の国の調査についての記述は、2026年10月16日時点の総務省統計局「令和8年社会生活基本調査」キャンペーンサイトの案内によるものです。最新は総務省統計局のホームページでご確認ください。

出典

※本文の国の調査についての記述は、上のページの内容をマークレストが要約したものです(「回答方法について」の2項目は原文の引用です)。升目の作り方・升ごとに1語・仕事の時間帯だけ・まとめて書く・思い出せない、も1語・余白の正の字などは、当社が作成したもので、国(総務省統計局)が作成したものではありません。

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